投資・お金教育の重要性。子どもたちに何を教えるべきかは今後の課題

子どものお金教育を考える

2023年8月にウィズ合同会社が実施した「子どものお金教育に関するアンケート調査」が注目を集めています。この調査は、岸田政権が掲げる「資産所得倍増プラン」にも関係しており、全国の20代から60代の男女3,000人を対象に、子ども達にどのような財務教育が必要とされているかを明らかにしました。研究には、日本におけるお金教育の現状や、それに対する人々の認識が含まれています。

調査結果の概略

調査の結果、66.2%の人々が「学校での投資やお金の教育は必要」と考えています。しかし、具体的にどのようなお金教育が必要かという点では、まだ課題が多く残ります。それに続き、教育内容として「お金の概念」といった抽象的な概念に重きが置かれている一方で、実際の「具体的な投資方法」については意外に低評価でした。

投資教育の必要性と認知度

驚くべきことに、学校で行われている投資やお金の教育の認知度はわずか8%という結果が出ました。「知っている」と回答した人が8%、「聞いたことがある」は20.9%、その他は「知らない」との回答が実に60%を占めました。特に、20代はこの教育を「知っている」との回答が多い一方で、年代が上がるにつれて「知らない」との声が増える傾向にありました。

いつから始めるべきか

投資教育はいつから始めるべきかについては、約70%の人が「小学校」からと回答しました。具体的には、小学校高学年から始めるべきと考える人が41.5%、小学校低学年以下を選ぶ人が26.6%に上りました。このことは、教育の基本的な土台を形成する時期にお金についての教育が重要だという意識を示しています。

投資教育の内容

調査では、子どもへのお金教育において重視すべき内容は「お金の大切さ」が42.0%、次いで「お金の仕組み」が34.4%という結果が得られました。ただし、各種投資や為替の具体的な手法については、あまり注目されていないことが分かりました。これは、最終的にはお金をどう使うかだけでなく、お金そのものの正しい理解が求められていることを反映しています。

不安材料とは

さらに、投資教育に関する不安材料としては、投資に失敗するリスクが24.3%と最も多く挙げられています。また、「大事なことが疎かになる可能性」が24.2%となっており、これは特に年代による違いが顕著に見られる点です。若い世代が自分の知識不足を不安視する一方、高齢層は逆に他の重要なことをおろそかにするリスクを強調しています。

未来に向けたメッセージ

ウィズ合同会社の代表社員、友杉博信氏は、調査結果を受けて、政府の資産所得倍増プランにおける金融教育の重要性を説いています。彼は、国外と比較して日本の投資教育が圧倒的に少なく、最近の投資ブームが教育不足に伴う問題を引き起こす可能性があることを強調しました。投資には必ずリスクが伴いますが、適切な教育によってそれを克服し、資産を増やすための手助けが必須であるというのが彼の考えです。教育によって、子どもたちが将来的に持つべき金融リテラシーの向上が重要であるとしています。