集英社の「MORE」にルビフルボタンが登場
一般財団法人ルビ財団は自動でふりがなを加える「ルビフルボタン」を、集英社が運営するファッションメディア「MORE」に導入したと発表しました。この取り組みは、特に外国ルーツの方や日本語が得意でない皆様に対し、漢字の読みやすさを向上させることを目的としています。
ルビフルボタンの概要
ルビフルボタンは、ウェブサイト上で一行のコードを追加するだけで使用できる便利な機能です。このボタンをクリックすることで、ウェブページ内の漢字にふりがなが自動的に表示される仕組みとなっています。これにより、情報の理解が容易になり、生活に必要な情報だけでなく、生活を楽しむための記事も多くの人に届けやすくなります。
この新しい機能の導入は、2024年4月から正式に始まりますが、すでに「MORE」の「やさしい日本語」ページに取り組みが進んでいます。具体的には、読者団体「MOREインフルエンサーズ」が執筆した人気ブログ記事を、「やさしい日本語」に翻訳して再配信する形で、幅広い読者層への情報提供を行っています。
やさしい日本語の重要性
「やさしい日本語」とは、日常会話や文章をより理解しやすくするための工夫です。特に漢字を多く使用する日本語においては、外国から来た方々や日本語に自信のない人々にとって、漢字の読みやすさが重要なポイントとなります。ルビ財団は、より多くの人々が学びやすく、生活しやすい環境を提供するために、さまざまな活動を行っています。
加えて、ルビの活用は「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」にも記載されており、自治体や医療機関における情報提供の一環として重要視されています。このルビフルボタンの導入により、外国ルーツの方々がよりスムーズに情報にアクセスできるようになることを目指しています。
集英社の今回の取り組みについて
集英社の第9編集部に所属する佐藤真穂氏は、やさしい日本語の取り組みについて、「以前はルビを付けるシステムが整っておらず、ふりがなありの記事となしの記事の2種類を提供していましたが、ルビフルボタン導入により、読者がより理解しやすくなったと感じています」とコメントしています。これにより、より多くの人に「MORE」の情報が届くことを期待しているとのことです。
ルビ財団について
ルビ財団は2023年5月に設立され、出版物やデジタルコンテンツにおけるルビの普及を目指しています。多文化共生の社会づくりに寄与することを大きな目的としており、特に外国人や障害を持つ方々が暮らしやすい環境を整える活動を積極的に展開しています。今回のルビフルボタンの導入による取り組みも、その一環と言えるでしょう。
今後も集英社の「MORE」とルビ財団の連携によって、より多くの人にやさしい情報提供が行われ、社会の中での交流が促進されることが期待されています。
【参考リンク】