岩手県大槌町でブルーベリー栽培の実証実験が開始
岩手県大槌町では、地域の復興に向けて新たな一歩を踏み出しました。11月5日(火)に町内の中心部「町方」にて、ブルーベリー栽培の実証実験農園が整備されることが発表されました。この取り組みは、未利用地の活用を目指し、大槌町の温浴施設「ますと乃湯」の近くに位置する町有地にて行われます。
植栽式で地域の連携を強化
植栽式には、町長や事業アドバイザー、栽培実験農園の管理者が出席し、地域の連携を促進します。この実験農園は、約100平方メートルの広さに、12本のブルーベリーの苗を植え、合計5か所で展開される予定です。特に注目されるのは、小規模・高効率の栽培方式である「ロケットシステム」を導入している点です。
復興のための新たな農業の可能性
大槌町は、長年の復興活動を経て、町内に点在する空き地の利活用事業を進めています。今回の取り組みは、地域の一次産業を振興し、観光資源としても活用できる可能性を秘めています。これにより、観光農園としてのブルーベリー栽培が今後の展開に繋がることが期待されています。
新しい栽培方法「ポット栽培」とは?
今回の栽培では、「ポット栽培」という革新的な手法を導入しています。この方法では、自動潅水システムが備わったバケツ状の“ポット”に土とブルーベリーの苗を植え、土地の条件に左右されずに栽培が可能です。そのため、平坦な場所であればどこでも栽培できる柔軟性があり、通常の栽培よりも1〜2年早く果実を収穫できるメリットがあります。また、観光農園として運営する際にも、足場が安定しているため、安全性が確保されています。
大槌町の魅力と今後の展開
大槌町は、三陸復興国立公園の南に位置し、自然豊かな環境に恵まれています。歴史ある町であり、震災の影響を受けたにもかかわらず、地域の支え合い文化が復興を支えています。現在は、サーモン養殖やジビエ産業に注力しており、ブルーベリー栽培を新たな産業として根付かせることを目指しています。
この実証実験は、町の将来的な発展に寄与する重要なステップです。2年間の実験の結果を元に、ブルーベリー観光農園としての事業展開が進められる予定です。今後の進捗に注目が集まります。
まとめ
大槌町のブルーベリー栽培実験は、地域の復興に向けた新たな試みです。市民の協力を得ながら、地域の魅力を引き出し、持続可能な農業の形を築くことが期待されています。新しい産業の創出とともに、大槌町がさらなる発展を遂げることに大いに感心を抱きます。