「高知アオノリキッズアドベンチャー」の魅力
2024年7月25日と26日の二日間、高知県で小学生を対象とした海洋学習イベント「高知アオノリキッズアドベンチャー」が開催されました。このイベントは、次世代に豊かで美しい海を引き継ぐことを目的とした「海と日本プロジェクト」の一環です。
海の恵みと環境への影響
高知県は全国で森林率が最も高く、84%を誇ります。この豊かな森から流れ出る栄養豊富な水が、様々な生き物が生息できる美しい海を築いています。しかし、最近の温暖化や環境変化が、高知の海に深刻な影響を与えています。特に「海藻」の変化が目立ちます。こうした現状を受けて、開催されたのが海洋学習イベントです。
イベントの内容
イベントには県内の小学5年生と6年生の19人が参加し、桂浜水族館での観察からスタートしました。水族館では約200種類の海や川の生き物が展示されており、学芸飼育員が「黒潮」の存在について説明してくれました。子どもたちは生き物たちの多様性に驚き、直接観察することで学びを深めました。
その後、高知大学総合研究センターの海洋生物研究施設に移動し、アオノリ博士と呼ばれる平岡雅規教授から「海藻」についての講義を受けました。教授は海藻の陸上養殖技術について話し、その重要性を子どもたちに伝えました。海藻がいかに環境にとって大切であるかを知り、顕微鏡で様々な海藻を観察することで、興味を持つようになりました。
天候と海の関係
2日目には、気象予報士の東杜和氏が登場し、「天気と海の関係」について講義を行いました。海水温の上昇が引き起こす環境問題、特にサンゴの白化や漁獲高の減少について学びました。これにより、四万十川の特産品である海藻の一種「スジアオノリ」が温暖化の影響で減少していることも知識として得られました。
アオノリの最新研究
また、アオノリを用いた二酸化炭素の吸収とその変換についての最新研究も紹介されました。高知大学の難波卓司先生がアオノリの研究を進めており、プラスチックや化粧品へと変える研究の重要性について話されました。
子どもたちは、高知大学の最新施設を見学し、ミナミアオノリの成長スピードとその可能性を体感しました。
高校生との交流
最後には、高知海洋高校の生徒たちからの話もあり、海のための活動や商品開発について学びました。身近な学生の体験を通じて、より具体的に自分たちにもできることがあると感じることができました。
参加者の声
イベント後、参加した子どもたちからは「生き物と触れ合えて面白かった」「アオノリの可能性に驚いた」との感想がありました。彼らが海や環境についての意識を深めたことは、未来の海のためにとても大切なことです。
まとめ
今回の「高知アオノリキッズアドベンチャー」は、海の重要性を学ぶだけでなく、気候変動や生態系保護についての深い理解を促す素晴らしい機会でした。高知の海を次世代に繋げるための第一歩として、今後もこうした活動が広がることを期待します。