JINSと大阪大学の共同研究が眼学界で一石を投じる
株式会社ジンズ(JINS)と大阪大学大学院医学系研究科の連携の成果が、国際的に権威ある眼科学・視覚科学の学術雑誌「Investigative Ophthalmology & Visual Science(IOVS)」に発表されました。この研究は、JINSが保有するメガネ販売データを用いて、近視や乱視に関する疫学的な洞察を提供するものです。
産学連携による新たな挑戦
JINSの「近視をなくす」という理念のもと、同社は様々な視覚問題に立ち向かうための革新的なアイウエアを開発してきました。2021年には、医療機関や学術界との共同研究に特化した「メディカル戦略部」を設立し、科学的根拠に基づいた商品開発を進めています。その中で、今回の共同研究が実現しました。
この研究では、全国的に展開するJINS店舗で集めたビッグデータ(メガネ購入者の屈折状況や年齢など)を活用し、従来の研究とは異なる視点からの分析が行われました。これにより、屈折異常の具体的な変化や視力障害のリスクに関する新たな知見が得られました。実に、日本国内でメガネ販売のビッグデータを用いた臨床研究としては初めての試みとなります。
近視と乱視の実態に迫る
発表された論文の一つでは、メガネを購入した6歳から35歳までの年齢層を対象に、近視の進行度や年齢分布を分析しました。この研究によると、近視は30歳まで進行し続けることが判明し、特に6~7歳の時期に最も進行が早いとの結果が示されました。また、10歳未満の学童の1.3%が強度近視に達している事実も明らかになりました。これは、今後の視力に甚大な影響を及ぼす可能性があり、早期の介入が求められています。
別の論文では、6歳から89歳までのデータを用いて乱視の実態を解析しました。その結果、年齢が若いうちから乱視の割合が増加し、特に50歳以上で顕著な増加がみられることが分かりました。また、乱視には左右非対称性があることも多く、個々に応じた精密な度数設定が重要です。
今後の展開
JINSと大阪大学の共同研究は、これからの眼科医療に大きな影響を与える可能性を持っています。川崎良教授は、「現在の日本における近視の増加に対処するため、今後は他の疫学調査と比較し、近視予防の手段や治療へのアクセスを探ることが必要」と述べています。
高静花准教授も「乱視が見え方の質に影響することは明らかで、正確な矯正が求められる」と強調し、本研究の意義を強調しました。
今後、JINSはこの研究によって得られた知見を活かし、さらなる製品開発と眼科医療の発展に寄与していくことが期待されます。人々の目の健康向上を目的とし、科学的根拠に基づいた探究が今後も続けられることでしょう。