新たな命の誕生 – アドベンチャーワールドのカマイルカの赤ちゃん
2025年7月11日、和歌山県白浜町に位置するアドベンチャーワールドで、カマイルカの赤ちゃんが誕生しました。この誕生は、自然繁殖によるもので、パークでは2年ぶりの出来事です。誕生したカマイルカの赤ちゃんは、現在母親とバックヤードのプールで静かに生活しており、授乳も確認されています。体重も順調に増加しているとのことです。
赤ちゃんカマイルカの基本情報
- - 出生日: 2025年7月11日(金)午後1時3分
- - 頭数: 1頭
- - 性別: 不明
- - 体長: 107cm(7月20日時点)
- - 体重: 14kg(7月20日時点)
今回の出産に至る背景には、母親の育児経験が影響しています。母親は2018年に一度出産を経験しましたが、その際には育児行動が見られず、人工保育に切り替えた結果、5日齢で赤ちゃんが亡くなってしまいました。この経験から学び、妊娠中の別の個体と同居させ、育児行動を学ぶ機会を設けたことが、今回の成功に結びつきました。この結果、定期的に赤ちゃんの体重を測定しながら、母子の育児の様子が観察されています。
アドベンチャーワールドの取り組み
アドベンチャーワールドでは2016年12月から、鯨類の繁殖技術確立に向けたプロジェクトを進行中です。鯨類の繁殖は成功率が低く、流死産や授乳不良などのリスクも高いため、厳しい挑戦が求められます。しかし、同園は繁殖活動や出生後の育成率向上に力を入れることで、これらの課題に立ち向かっています。
同施設歴代の繁殖実績も誇りで、例えば、オキゴンドウは1981年から2022年までに10回出産し、1頭を育成成功させています。バンドウイルカは1984年から2024年にかけ、68回出産して21頭の育成に成功しており、今後のカマイルカも、安定した繁殖と育成が期待されます。
母体の情報
- - 父親: 2015年12月搬入(推定15歳以上の野生個体)
- - 母親: 2010年6月アドベンチャーワールド生まれ(15歳)
現在赤ちゃんは母親と一緒に過ごしているため、一般公開は未定ですが、公式SNSなどで成長の様子が随時更新されるとのことです。今後とも温かく見守っていただければ幸いです。
カマイルカの特徴
カマイルカはクジラ目マイルカ科に属し、学名はLagenorhynchus obliquidens。生息地は北太平洋の温帯から寒帯に広がっています。体長は180〜240cm、体重は100〜180kgで、最大寿命は約40年と言われています。母性本能の強い動物で、妊娠期間は11~12ヶ月、通常1産1子です。
SDGsへの寄与
アドベンチャーワールドは「いのちを見つめ、問い続ける。いのちの美しさに気づく場所」として、すべての生命が調和して生きる地球の実現を目指しています。SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも強化し、豊かな未来のために関わるすべての人々とともに歩んで行きます。
新たな命がもたらす希望の象徴として、カマイルカの赤ちゃんの成長が、私たちに幸せをもたらしてくれることを願っています。