訪日率で見える新たな常連客と新規客のトレンドとは?
ビジネスの成否は、新規顧客の獲得と既存顧客のリピート利用のバランスで決まると言っても過言ではありません。特に飲食業や小売業、サービス業など、競争が厳しい分野ではその傾向が顕著です。最近のデータを基に、訪日客の「訪日率」という指標を用いて、国ごとのリピーターと新規顧客の現状を分析してみます。
訪日率とは何か?
訪日率は、特定の国から訪れる日本への旅行者数を、その国の総人口で割ったものです。たとえば、香港の人口は737万人で、2025年には251万人が日本を訪れると予測されています。これは、訪日率34%に相当します。一方で、中国は14億人以上の人口に対して910万人が訪日する見込みで、訪日率は0.64%となります。
この数値を見て分かるのは、対人口比での訪日客数の違いです。香港や台湾、韓国の訪日率は高く、リピーター層が厚いため、経営面でも安定感があります。反対に、中国は膨大な人口を抱えますが、訪日経験者は少なく、その数の多くが新規顧客であることを示しています。
時系列で見る訪日率の推移
2015年から2025年までの訪日率の変動を見てみると、香港や台湾、韓国は右肩上がりに推移しています。具体的には、香港の訪日率は20.7%から34.1%に増加し、台湾は16.0%から29.4%、韓国は7.8%から18.3%に達しています。これに対し、中国は2015年に0.35%だったのが2025年には0.64%と、確かに増加はしているものの、絶対的な数字は依然として低いままです。
このように、訪日率が示すのは単なる数値だけではなく、その国における日本旅行の位置づけや、顧客の性質です。香港や台湾、韓国は既に訪日経験者が多数を占め、リピーターとしての要素が強くなっていると推察されます。
実際の顧客体験
実際の体験からも、これらのデータの正当性が裏付けられています。香港のお客様は毎月来ており、その度に新しい体験を求めています。月ごとに訪れることで、単なる観光客から真のリピーターに変わりつつあるのです。
一方、中国からの旅行者は、依然として「初めての訪日」を迎える新規顧客が多いと言われています。2025年時点でも、人口の大半は未訪日であり、来日するたびに新たな体験を提供することが求められます。
ビジネスへのインプリケーション
この情報を基に、ビジネス戦略を考慮すると、香港・台湾・韓国市場は既存顧客の深耕を図るべき段階にあり、新たな価値を提供することが求められます。反対に、中国市場は新規開拓のフェーズにあり、まずは訪日経験を増やし、リピート施策を実施することでブランド認知を広める必要があります。
このように、訪日率という観点を持参することで、国ごとのアプローチを明確にすることができ、今後のインバウンド戦略を見直す上での指針となります。訪日市場の動きに敏感に反応し、新たな機会を逃さないようにすることが重要です。