調査の背景と目的
株式会社日本総合研究所が行った本調査は、従業員の仕事に対する意識や、ウェルビーイングと子どもとの関係性を探るためのものです。こどもの権利条約が採択された11月20日というタイミングで結果を発表しました。企業は、従業員だけでなくその家族である子どもにも配慮した施策を展開していく必要성이高まっています。特に、10歳から18歳の子どもを持つ従業員の視点がこれまであまり考慮されてこなかったため、今回の調査では、親の子どもに対する働きかけや意識をより深く理解するための分析が求められました。これにより、企業はウェルビーイングの向上に向けた施策を検討するための基礎データを得ることができます。
調査の概要
本調査は2025年8月19日から22日までの期間に実施され、対象は国内で週に20時間以上働く従業員です。最終的に9404人の有効回答を得ることができ、そのうち4691人が「10歳から18歳の子どもがいる」と答え、調査結果の分析を行っています。職種別では、会社員が59%、管理職が22%という構成が確認されました。
主要な調査項目
調査項目は特に二つに集中しています:
1. 自分と子どもとの関係
2. 子どもが親の仕事をどう評価しているか
調査結果
自分と子どもとの関係
調査の結果、回答者の60%以上が「子どもにとって自分が役立っている」と感じていることが明らかになりました。これは全職種で共通して高い傾向がみられ、特に業務内容によりその意義の捉え方には差異があることも示されています。きっかけとして、子どもとの時間を増やすために転職を考える親も25%から37%の範囲で存在しました。
さらに、生活満足度のデータも収集され、30分以上子どもと過ごす親が高い満足度を得ているという傾向が示されました。適度な時間を子どもと過ごすことが親の生活満足度に好影響を与えることが示唆されています。
子どもからの仕事に対する評価
子どもが親の仕事をどの程度認知し、評価しているかも調査されました。なんと83%の子どもが親の仕事内容や勤務先を一定程度知っている結果となり、親の職業に対する子どもの理解が見受けられました。生活満足度が高い親ほど子どもから「いい仕事だと思っている」と評価される割合が増加し、反対に評価が「わからない」と感じる親は満足度が低いという結果が得られました。
調査の示唆
この調査は、従業員のウェルビーイングの向上に寄与する施策を考える上で、10〜18歳の子どもを持つ親の価値観や意識が重要であることを示しています。企業は、特定の年齢層の子どもを持つ従業員に応じた施策を取るべきであり、親が自らの仕事観で満足して働ける環境の整備が求められています。
今後、調査結果を元に企業の実践支援を行う予定で、具体的にはウェルビーイング向上のための施策の検討や設立された子どもコミッションイニシアティブでの議論が行われる予定です。
日本総合研究所は、次世代の価値創造に向けた活動を引き続き推進する意向を示しています。