トラベロカが宿泊業界の未来を切り開く
2025年7月10日、東京のJETRO本部で開催された「Unlock Asia! トラベロカと手間いらずが開く新たな扉」セミナーは、宿泊関係者がアジア市場を理解し、より効果的に進出を図るための重要なイベントとなりました。東南アジアを象徴する旅行予約プラットフォーム「トラベロカ(Traveloka)」と、宿泊施設向け予約管理システムを提供する手間いらず株式会社の共同開催によるこのイベントは、業界関係者の注目を集めました。
トラベロカのビジョン
セミナーの冒頭では、Traveloka Japan株式会社の代表取締役、クリスチャン・ヌグロホ氏が登壇しました。彼は、トラベロカが日本と東南アジアをつなぐ架け橋としてどのように機能しているかを説明しました。彼によれば、トラベロカは2013年にインドネシアのジャカルタで設立され、「なぜ東南アジアで旅行予約が難しいのか」という疑問から誕生したとのことです。「私たちは、日本の宿泊施設と東南アジアの旅行者を結びつけるために存在しています。13年以上にわたる経験を活かし、旅行関係者の最良のパートナーになりたいと考えています。」と彼は意気込みを述べました。
インドネシア市場の動向
次に、ジェトロジャカルタのシニアディレクター、平松耕介氏が基調講演を行い、インドネシアの経済成長とそれに伴う日本企業の進出について語りました。彼は、インドネシアは東南アジアで最も人口が多く、豊かな資源を背景に経済が成長していると述べ、「特に生産年齢人口の比率が高い『人口ボーナス』の恩恵は2040年頃まで続く」と予測しました。
平松氏は続けて、「近年、日本企業はインドネシア市場への進出が目立っており、飲食、小売、医療などの分野で高いプレゼンスを誇っています。また、インドネシアから日本への訪問者も増えており、2025年にはさらなるインバウンド需要の拡大が期待されています。」と強調しました。
新しい管理システムの紹介
セミナーの後半では、Traveloka JapanのCountry Market Manager、河嶌佐登志氏がトラベロカの企業概要と施設向け管理システム「TERA」を紹介しました。「TERAは、宿泊施設がアジア市場をより柔軟にアプローチできるようにするためのツールです。」と河嶌氏は説明しました。独自の機能を宿泊施設に提供することで、各施設が戦略的に販売を行える環境を整えていくことが目指されています。
また、手間いらず株式会社の第一グループリーダー、津室東宇氏も登壇し、TEMAIRAZUシリーズの強みを共有しました。彼は「2024年3月以降、国内宿泊者数は300万人を超えると予測されており、インバウンド需要に対応するための戦略が求められています。TEMAIRAZUは、複数の予約サイトの在庫や料金、プランを一括管理できるシステムで、多言語対応が可能なのも特徴です。」と述べました。
今後の展望
このイベントは、宿泊業界がグローバルな競争に立ち向かうための新たな一歩となりました。トラベロカは今後も企業との連携を深め、日本の観光や宿泊業界の国際競争力を高めるための取り組みを続けることを誓っています。
トラベロカとは
トラベロカは、旅行予約を簡便化することを目指しており、航空券やホテル、アクティビティの予約をひとつのプラットフォームで行えるサービスを提供しています。ユーザーが快適で充実した旅行体験を得られるよう、最新技術を駆使し、カスタマーファーストのアプローチでサービスを展開しています。日本法人は東京の六本木に本社を設けており、今後もさらなる進化が期待されています。