インパクトIPOの新しい時代を切り開くワーキンググループ始動

インパクトIPOの新しい道筋

投資の在り方が変わる中、特に企業の成長と社会貢献が両立する「インパクト投資」が注目されています。2023年7月28日、日本国内のインパクト投資市場拡大を目指し、GSG国内諮問委員会がインパクトIPOワーキンググループ（WG）を発足しました。この取り組みが、企業の持続的成長とともに、社会的・環境的インパクトの創出をどのように進めるのか、詳しく見ていきましょう。

インパクト企業とは？

インパクト企業とは、ポジティブな社会的または環境的インパクトを創出しつつ、事業の成長を追求する企業です。これまで、こうした企業が上場を果たす際、インパクトの概念とビジネス成長の関連性を十分に理解し、適切に伝える手法が欠如していました。GSG国内諮問委員会はこの点を踏まえ、データと事例に基づく情報開示のガイダンスを整備し、インパクト企業の上場促進を図ります。

ワーキンググループの役割

ワーキンググループは、上場を目指すインパクト企業だけでなく、投資家、証券会社、インパクトやESG（環境・社会・ガバナンス）に関心を持つ有識者たちで構成されています。彼らは、インパクト企業に求められる情報開示の透明性を高め、建設的な対話を促進することを目的としています。具体的には、2023年7月から11月までの間に、計5回の会議を通じて、そのプロセスを検討し、関連するステークホルダーとの意見交換を行う予定です。

インパクトと収益の相乗効果

インパクトを追求する企業は、顧客の満足度を高め、大きな市場を獲得するだけでなく、優秀な人材を引きつけることにもつながります。このように、インパクト企業の成長は、経営基盤の強化にも寄与し、結果として持続的かつ高い成長が見込まれます。しかしながら、日本国内では未だ事例が限定的であり、インパクトの追求と成長性の理解が乏しいのが現状です。このWGでは、そうした誤解を解消し、インパクト企業のIPOの現状を再評価していきます。

これまでの取り組みと今後の展望

GSG国内諮問委員会は、2022年7月に「インパクト企業の上場コンセプトペーパー」を発表しました。さらに、事務局を務める社会変革推進財団（SIIF）は、2022年11月に基盤調査を実施し、インパクトIPOの実現に向けた調査結果を公表しています。これらの取り組みは、インパクトを重視した企業が持続可能な成長を実現するための基盤を築くことを目指しています。

まとめ

インパクトIPOワーキンググループの設立は、インパクト企業にとって新たな可能性を開く重要なステップです。投資家、企業、そして社会との三者間で持続可能性を実現するための道筋を模索し、ポジティブな変化を促す環境づくりが期待されています。今後の議論を通じて、より多くのインパクト企業が上場し、持続的な成長を遂げることを願っています。