櫛木理宇が描く衝撃のサスペンス小説『悲鳴』、待望の新刊

櫛木理宇の新たな挑戦、待望の新作『悲鳴』の魅力

2025年8月28日、櫛木理宇氏の新作『悲鳴』が新潮文庫からリリースされます。櫛木氏は、社会病理や犯罪心理をテーマにした作品を数多く発表してきた作家として知られ、その手掛けるサスペンスには圧倒的な魅力があります。これまでも『死刑にいたる病』や『鵜頭川村事件』など、深い心理描写と緻密なストーリーで読者を惹きつけてきた彼が、新たに挑むのはどのような物語なのでしょうか。

『悲鳴』の物語の概要

物語は1983年から始まります。主人公は美しく知的な少女・サチ。彼女はある日、男に誘拐され、約11年間もの長い間監禁されてしまいます。ようやく事件が発覚し、サチは生還を果たしますが、彼女が待ち受けていたのは、旧式の価値観に囚われた地域住民たちからの差別と偏見でした。彼女が復帰を果たしたその瞬間から、新たな苦痛が始まります。

こんなにも辛い経験をしたサチにとって、社会は受け入れるどころか、嫌がらせや無理解で疲弊させるばかり。そんな彼女の元に、「この骨がホンモノ」と白骨死体が送りつけられます。この死体が誰のものであり、何を意味するのか。彼女は果たして誰を、そして何を恐れるべきなのか。隠された真実が明らかになるとき、さらなる衝撃が待ち受けています。

深いメッセージと美しい画面構成

『悲鳴』は単なるサスペンス小説にとどまらず、差別や無理解、そして人間の悪意が織りなすミステリーとしての側面を持っています。サチの苦痛や葛藤を通じて、私たちが普段気づかぬ社会の闇を浮き彫りにする作風は、櫛木氏の真骨頂とも言えます。また、作品の表紙には画家・諏訪敦氏による美しく印象的なカバー装画が施されており、視覚的にも読者を引き込む要素が満載です。

著者の経歴

櫛木理宇氏は、1972年に新潟県で生まれました。彼は2012年に『ホーンテッド・キャンパス』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞し、作家としてデビューを果たしました。その後も、『赤と白』で小説すばる新人賞を受賞するなど、輝かしい経歴を持っています。代表作としては『死刑にいたる病』や『少女葬』などがあり、常に読者に新たな驚きと考えさせられるテーマを提供しています。