レシップとホクリクコムが目指す新しいバス運行の形
岐阜県本巣市に本社を構えるレシップ株式会社と石川県金沢市のホクリクコムが、運行データを最大限に活用した「ダイヤ編成システム」の開発に乗り出しました。このシステムは、路線バスのダイヤを効率的に編成するためのもので、バス事業者の運行管理に大きな革新をもたらすことが期待されています。
ダイヤ編成システムとは?
「ダイヤ編成システム」とは、単に時刻を決めるだけでなく、路線・車両・乗務員の運行計画を元に、バスダイヤを最適化するためのツールです。このシステムは、運行管理システムと連携することで、迅速にダイヤを作成し、全体の効率性を高めることが可能です。
例えば、このシステムを使うことで、電子スターフやバスロケなどに容易に運行データを反映できるため、ダイヤ改正時の手間が大幅に軽減されます。これにより、バス事業者は利用者のニーズに迅速に応えることができます。
共同開発の背景
ホクリクコムは、公共交通のICT化を推進する企業として、高度な情報システムの開発やITサポートを行っています。一方、レシップはバス用の電装機器メーカーであり、運行支援システムやバスロケなどに注力しています。
両社の強みを融合させることで、バス事業者のニーズを反映したシステムの開発が実現しました。このシステムの普及によって、2030年度までに全国30社以上の導入を目指しています。
システムの主な機能と特長
この「ダイヤ編成システム」には、様々な特長が備わっています。まず、基本情報(路線・系統・車両・乗務員の業務計画)を設定することで、山ダイヤや仕業ダイヤを簡単に作成できることが挙げられます。また、ダイヤを迅速に作成できるため、ドラックアンドドロップによる操作の簡便さも特長の一つです。
さらに、作成したダイヤデータはレシップの様々な機器にスムーズに連携することができ、運行の効率化を実現します。特に、EVバスの充電時間を考慮したダイヤ編成にも対応する予定であり、将来的なニーズにもしっかり応えていく姿勢です。
将来への展望
今後、社会の変化や技術の進展に伴い、ダイヤ編成の必要性は増していくと考えられます。運転手不足や利用者数の減少など、社会的な課題がますます浮き彫りになる中で、効率的な運行が求められるようになっています。このシステムは、そうした課題に応えるべく設計されています。
実際、ダイヤ編成業務には多くのコストがかかっており、経験やノウハウのある専門家が必要です。しかし、この新しいシステムを導入することで、経験のない事業者でも効率的な運行が実現できるようになるでしょう。
まとめ
最適化されたダイヤ編成が実現すれば、公共交通機関の利便性が向上するだけでなく、未来の交通環境に対する持続可能な選択肢をも提供できる可能性があります。レシップとホクリクコムの取り組みに注目が集まる中、今後のバス運行の進化が楽しみです。