2024年7月9日、多賀町中央公民館にて「空き家活用フォーラム」が開催されました。本イベントは、認定NPO法人Cloud JAPANの代表理事・田中惇敏氏を基調講演者に迎え、空き家の有効活用を通じて多賀町の活性化を目指す団体や事業者の活動を紹介する場となりました。
国土交通省が示唆する空き家対策の一環として、多賀町は空き家の利活用に取り組んでいます。特に、全国的に注目されている24条法人に指定された団体が地域の連携を促進することによって、空き家問題に共同で立ち向かう方針を決定しました。この流れに乗り、NPO法人おおたき里づくりネットワークが主催となって本イベントが盛況裏に行われました。
本フォーラムは、約40名の参加者を集め、新たな協議会の発足を記念する重要な一歩となりました。イベントの冒頭では多賀町長の久保久良氏が挨拶し、地域の過疎化問題に対し、空き家や空き地の有効活用が重要であることを力強く訴えました。特に、若い世代が移住するためには、空き家を中心とした地域再生が不可欠であると強調しました。
基調講演では、田中惇敏氏が「空き家から始まる地域再生」の先進的な事例を多く紹介しました。彼の話の中で、空き家を活かしたゲストハウスや地域の子育て支援事業に関する成功事例が披露され、参加者たちはその知見を得ることができました。田中氏は、空き家を単なる物件としてではなく、関係人口を創出するための重要な資源として捉えるべきだと論じました。また、建築設計のプロセスにおいては、活動の全てを一体化させることが、持続的な改善を生む鍵だと述べました。
続いて行われた活動紹介では、地域再生に向けた様々な取り組みが報告されました。一般社団法人地域再生プロジェクトみなおしの代表、8西茂行氏は、耕作放棄地の利活用と空き家を活用したシェアハウス運営について説明し、福祉施設への転用計画にも触れました。
また、株式会社丸由の岸邉由朗氏は、不動産仲介を通じて空き家の利用促進に努めていることを語り、多賀町での定住人口増加に繋がる取り組みについて説明しました。
平塚一弘氏(株式会社ひらつか建築)は、地場産業の衰退問題に取り組みながら、空き家の活用を通じた新たな事業展開を計画していることを強調しました。シェアハウスや宿泊施設の開業計画が紹介され、地域と共に次世代へと繋げていくビジョンが共有されました。
さらに、一般社団法人杜の実の平居晋氏は、多賀大社参道「絵馬通り」の再生を通じた地域住民との連携の重要性を語り、空き家を利活用した喫茶店やイベントの企画を行いながら、地域交流を深める取り組みを行っていると述べました。
今回のイベントを受けて、Cloud JAPANは多賀町内での空き家を利活用した地域活性化拠点の開業を計画しており、今後の活動が大いに期待されています。空き家活用に携わる仲間も増えており、地域の未来を見据えた持続的な成長が進められています。
空き家活用担当の西岡勇翔氏は、「多賀町には大きな可能性がある」と述べ、これからの取り組みに対する意欲を見せました。地域再生や活性化に向けて、多賀町の未来を形作る一翼を担うことを目指しています。地域の資源を上手に活用することによって、より豊かで活気のある多賀町へと発展していくことが期待されています。