COP30までの課題を浮き彫りにする記者会見
異常気象が進行する中、国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が目前に迫っています。このタイミングで、日本の気候政策に関する新たな懸念が浮かび上がっています。国際環境NGO FoE Japanは、日本政府が依然として海外の化石燃料プロジェクトへ公的資金を提供している実態を明らかにする二つの新しい研究を発表しました。
発表された二つの研究
1. JBICの温室効果ガス排出量についての研究
この研究では、国際協力銀行(JBIC)が1999年から2024年までに関与した化石燃料プロジェクトの融資から生じる温室効果ガス排出量を算定しました。研究者は、これらのデータを基に、エミッションが世界の主要排出国に匹敵するという可能性があることを明らかにしています。この指摘は、日本が国際的に求められている気候目標を達成する上で大きな課題であると言えます。
具体的な報告書タイトルは「日本の公的投融資がもたらす気候変動影響:JBICの化石燃料支援に伴う温室効果ガス排出量と1.5度目標の整合性」です。これにより、日本の温室効果ガス排出責任が新たに可視化されました。
2. 日本のLNG転売についての研究
次に、独立研究機関Datadeskによる研究が、日本におけるLNG転売の実態を明らかにしました。Kplerの航行・契約データを基にしたこの研究では、日本がどの国にLNGを転売しているのか、その転売量について具体的なデータが提示されています。この結果、JBICが関与するLNG事業の多くが転売されているという事実が明らかになり、新たなLNGプロジェクトへの公的支援の妥当性に疑問を呼び起こしました。
こちらの報告書のタイトルは「日本のLNG転売:公的資金が支える転売の実態をデータで読み解く」で、今後の政策形成に重要な示唆を与えるものであると言えます。
オンライン記者会見の詳細
この新たな研究結果を共有するために、FoE Japanはオンライン記者会見を開催します。日英同時通訳にて、研究背景や意義を説明する予定です。
- - 開催日時:2025年11月5日(水)15:00–15:45
- - 登壇者予定:長田大輝(FoE Japan)、ルイス・ゴッダード(Data Desk)、シャロン・ウィルソン(Oil FieldWitness)
質疑応答の時間も設けられるこの会見は、今後の気候政策を考える上で重要な場となるでしょう。
FoE Japanについて
FoE Japanは、1980年から日本で活動を行う国際環境NGOの一員です。世界73ヵ国に200万人以上の支持者を持つFriends of the Earth Internationalのメンバー団体として、地球規模の環境問題に取り組んでいます。最近の研究結果は、日本における気候政策の見直しを迫る重要な指摘であり、今後の展開に注目が集まります。