袴田巌さん国家賠償請求訴訟の支援が始まる
2026年3月25日より、日本初の公共訴訟支援プラットフォーム「CALL4」が、袴田巌さんの国家賠償請求訴訟の支援を開始すると発表しました。袴田巌さんは、2024年9月26日に逮捕から58年にして再審無罪が確定しましたが、47年7ヶ月にわたる拘束が与えた精神的影響は計り知れません。今後、弁護団はえん罪と名誉棄損に関する二つの訴訟を提起する予定です。
1. えん罪国家賠償請求訴訟の焦点
袴田さんの事件は、えん罪に関する国家賠償請求訴訟が争点となっています。弁護団は、以下の5つの違法行為が存在したと主張しています。
1.
捜査の違法性
事件発生後、警察は早くから袴田さんを犯人と決めつけ、証拠を隠蔽またはねつ造したことが再審を通じて明らかになりました。このような警察の捜査のあり方は「無法地帯」とも言われ、えん罪の温床となっています。
2.
取調べの違法性
袴田さんは逮捕後、19日間にわたって合計12時間を超える取調べを受けました。この取り調べは、心理的な圧迫をかけるもので、極めて非人道的でした。最終的に、検察官の作成した自白調書がねつ造とされました。
3.
起訴の違法性
起訴された段階でも、証拠資料が不十分であったにもかかわらず、不当な起訴が行われていました。さらに、取り調べや補充捜査の時点でも違法な行為が確認されています。
4.
証拠のねつ造
事件から約1年後、みそタンク内で発見された衣類は、確定判決で使用されたものですが、これらも警察が作戯した証拠であると再審で認定されました。
5.
裁判所の判断誤り
第1審では、ねつ造された証拠を見抜けず有罪判断を下しました。この誤判断はその後の控訴審でも支持され、袴田さんの正義を揺るがしました。
2. 名誉毀損国家賠償請求訴訟
2024年10月8日、静岡地方裁判所は袴田さんに無罪判決を下しましたが、その後、検察総長が「無罪判決が間違っている」と発言したことで、名誉毀損としての訴訟も提起されました。無罪が確定している者に対して、このような発言は名誉を毀損するものであり、国家機関の信頼を傷つける行為とみなされます。
社会的意義
袴田さんの事件は過去の問題ではなく、現在も私たちの司法システムに深く根を下ろしている問題です。的外れな捜査や違法な取調べが行われている現状を考慮すれば、今後同様の悲劇を繰り返さないために、本訴訟が重要な意味を持つことは明白です。私たちは、すべての市民が安心して司法にアクセスできる社会を実現するために、巌さんの訴訟から学ばなければなりません。
資金の使途
この訴訟のために必要な資金は、憲法上の権利を守るための活動に使われます。具体的には、訴訟関連の事務費用、弁護団の活動費用、証拠の整理やデータ化のための費用などが含まれます。
原告の思い
実際、巌さんは現在拘禁反応により自分の思いを語ることができませんが、遺した日記の中に不屈の闘志が表現されています。「息子よ、古い鎖に立ち向かうために戦うのだ」と、彼は未来に希望を託しています。この思いを受け、弁護団が全力で闘う姿勢を示しています。
担当弁護士の紹介
弁護団は巌さんの再審事件に深く関わってきた9名の弁護士で構成されています。団長を務める小川秀世弁護士は、40年にわたりこの事件に寄り添い続けてきました。彼らは、不当な司法の闇を明らかにする決意をしており、今後の訴訟に精力的に取り組む所存です。
この訴訟は、司法の透明性や公正性を求める重要な試みです。私たちもその意味と意義を広めていく必要があります。