HRtech企業Flucle、社名変更で企業向けサービス本格展開へ
大阪市に拠点を置くHRtech企業、株式会社Flucleは2024年11月18日、社名を「株式会社HRbase」に変更し、企業向けの労務管理サービス提供を本格的に開始すると発表しました。これまでも社会保険労務士向けのサービス「HRbase PRO」を提供してきた同社ですが、今回の変更により、企業の労務課題解決に本格的に取り組む姿勢を明確にしました。
社名変更の背景:社会保険労務士との連携強化とビジョン実現
Flucle社は、社会保険労務士向けツール提供を通じて、IT化が遅れていた労務相談分野へのアプローチを継続してきました。主力サービスである「HRbase PRO」はリリースから3年で高い認知度を獲得し、2024年4月に導入した「労務相談AI」によりユーザー数は大幅に増加。これらの実績を背景に、9月にはプレシリーズAラウンドでの資金調達も成功しています。
今回の社名変更と企業向けサービス開始は、企業理念である「最適な労務管理で、すべての人に安心を」というビジョンをより迅速に実現するための戦略です。「最適」とは、効率性だけでなく、各企業の状況に最適なソリューションを提供することを意味しており、AIによる効率化に加え、社会保険労務士による専門的なサポートの重要性を強調しています。
企業向けサービス「HRbase」:社会保険労務士との連携を強化
新しく提供開始となる企業向けサービス「HRbase」は、「HRbase PRO」の機能を精選し、企業の労務担当者にとって使いやすいパッケージとして提供されます。サービス開始は12月上旬を予定しており、今後は企業向けサービスの利用拡大に伴い、多くの社会保険労務士との連携が必要となる見込みです。そのため、企業への「社労士無料ご紹介プログラム」を開始し、ユーザーと社会保険労務士の橋渡し役となる体制構築にも取り組んでいます。
社会保険労務士向け「HRbase PRO」への影響
企業向けサービス開始に伴い、「HRbase PRO」の機能や提供方法に変更はありません。一部インターフェースの変更はありますが、既存ユーザーはこれまで通り利用可能です。さらに、専門家向けのコンテンツ拡充や、ユーザーと一般企業との連携促進のための取り組みも予定されています。
代表取締役三田弘道氏からのメッセージ
代表取締役の三田弘道氏は、今回の社名変更と企業向けサービス開始について、「AIなどのテクノロジー」と「人にしかできないサポートを行う専門家」の両方が必要だと強調。企業向けサービス展開を足掛かりに、専門家と企業の労務担当者が共に輝く未来を目指すと述べています。
今後の展望:労務管理の未来を創造
HRbase社は、創業当初から「就業規則クラウド」など、様々な労務管理関連サービスを提供してきました。試行錯誤を経て、「企業の労務課題解決には、社会保険労務士の力が不可欠であり、その活躍を阻む課題を先に解決する必要がある」という結論に達し、社会保険労務士向けのサービス開発に注力してきました。
今回の展開は、AI技術と社会保険労務士の専門性を融合させ、より多くの企業に質の高い労務管理を提供するための重要な一歩となります。今後、HRbase社の動向から目が離せません。