アメリカにおける新関税に対する支持とその影響
世界最大規模の世論調査会社であるイプソス株式会社が発表した調査結果から、アメリカ人の関税に対する態度が明らかになりました。この調査は、日本の東京都にオフィスを構えるイプソスがロイターと共同で行ったものです。約1,027人のアメリカの成人を対象に、オンラインで実施されました。
調査結果の概要
結果によれば、アメリカ人の82%がトランプ氏による新たな関税の発表を知っていると回答し、その中でも51%が「非常によく知っている」としています。この知識の程度は、党派によって異なり、民主党支持者が共和党支持者よりも高いという結果も出ています。
新関税に対する支持
新たな関税の導入に関しては、意見が二分されています。メキシコからの輸入品に対する関税を支持するアメリカ人は39%にのぼりますが、全ての貿易相手国に対する10%以上の関税賦課を支持する意見も同じく39%です。カナダからの輸入品や自動車に対する25%の関税賦課についても同様の支持が集まっています。特に共和党支持者では、7割以上がこれらの関税に賛成しており、この割合は民主党支持者の約1割に対して突出しています。
誤解と認識のギャップ
「関税は商品を輸出する国が支払う税金である」という認識については、誤解が広がっているようです。共和党支持者では正しい認識を持つ人が19%と少なく、アメリカ全体でも32%です。FOXニュースなど保守系メディアを視聴している人々の間では、この誤認が特にひどく、72%が誤った認識を持っています。
他国との関係に対する意識
アメリカ人の52%は「他国が国際貿易においてアメリカを利用してきた」と感じており、この感覚は共和党支持者に特に強いです。また、新しい関税は「制度を悪用している国をターゲットにすべきとの考え」が76%となり、党派を問わず多数が賛同しています。
短期的な痛みと長期的な利益
アメリカ人の約49%は、短期的な経済的痛みがあっても「アメリカを長期的に強くするためには価値がある」と考えています。この考えも、共和党支持者の81%に対し、民主党支持者の23%と明確な差があります。
価格上昇の予測
調査では、アメリカ人の約73%が個人用電子機器や携帯電話の価格が今後6か月間で上昇すると予想しています。また、同様に自動車や日用品の価格も上昇するだろうと考えられています。特に、これら価格の上昇は家計に影響を与えており、最近3か月で35%が購入を控えたと答えています。
インフレとその影響
バイデン前大統領の政権下でのインフレに関する見解は党派によって異なり、共和党支持者の54%は「バイデン政権時代が最もインフレが高かった」と正しく認識しています。一方、民主党支持者ではこの認識が12%にとどまります。
まとめ
新しい関税に対するアメリカ人の意見は分裂していますが、公共の価格上昇に対する心配や経済への影響を予測する声は大きいです。調査結果は、今後のアメリカの経済政策について多くの示唆を与えるものとなるでしょう。今後の動向に注目が集まります。