仮設CIMシステム「CIM-FLOOR」の開発とその効果
近年、建設業界ではデジタル技術の導入が進んでおり、中でもIHIインフラ建設とオフィスケイワンの共同开发による「CIM-FLOOR」は注目されています。この新しい仮設CIMシステムは、吊り足場の設計工数を最大50%削減することを可能にします。
1. 開発の背景と課題の解決
橋梁の新設やリニューアルの際、パネル式吊り足場の使用が増えてきました。しかし、従来の設計は熟練技術者に依存しており、属人的な作業が発生しやすく、現場作業の非効率も指摘されていました。これにより計画ミスや手戻りのリスクが高まっていました。そこで、IHIインフラ建設の橋梁施工の実績を活かし、オフィスケイワンが持つCIMソリューションの知見を合わせて、仮設設計の3次元化と自動化を目指し、「CIM-FLOOR」の開発がスタートしました。このシステムには、著名な足場メーカーである株式会社タカミヤの専門知識が活用されています。
2. CIM-FLOORの特長と機能
設計者・施工者向けの機能
CIM-FLOORは、設計者と施工者のニーズに応えるため、シームレスに連携できる機能を備えています。積算から配置計画、詳細設計までの作業を一貫して行うことができ、データの移行や再入力が不要になります。これにより、データ連携のオートメーション化が実現し、建設コンサルタントが計画段階でのデータを施工者に引き渡すことで、効率的な作業が可能となります。
登録製品の選択機能
CIM-FLOORでは、複数の足場メーカーの製品から選択できる機能があり、施工者は自ら選んだ製品を使って設計照査を行うことができます。
自動割付け機能
設計基準に基づく荷重計算や、橋梁の線形座標に応じたパネル式足場の自動割付けができ、これまで手作業で行っていた作業を大幅に効率化します。さらに、曲線橋に対応した平面割付けも自動処理が可能です。
3次元モデル出力機能
設計資料として、2D図面や詳細な3Dモデル、計算書の出力が簡単に行えます。これにより、パネル式吊り足場計画時の生産性が大幅に向上します。
前工程とのデータ連携機能
CIM-GIRDERデータの読み込みが可能で、前工程の作業を重複なく行うためのデータ活用が促進されます。
3. 今後の展開と期待
IHIインフラ建設とオフィスケイワンは、CIM-FLOORを自身の受注工事において適用し、生産性の向上を図る予定です。また、オフィスケイワンはタカミヤ製品を含むパネル式吊り足場の製品情報のデータベース化に取り組み続けます。今後も業界標準システムとしての地位を確立し、発注者や建設コンサルタントへの提案活動を推進し、橋梁業界における仮設DXを進めていくでしょう。
4. オフィスケイワンの紹介
オフィスケイワンは、2014年に設立以来、デジタル技術を駆使した情報サービスの提供や橋梁BIM/CIMシステムのプロダクト販売、そして新しい課題解決につながる開発を行っています。施工現場の生産性向上に向けた活動は高く評価されており、土木賞特別賞を受賞した実績もあります。将来的な展望として、引き続き建設DXの実現に向けて貢献を続ける姿勢が見えます。
本リリースに関する問い合わせ先は、オフィスケイワン株式会社の橋梁CIMシステム営業担当までご連絡を。電話番号は06-6567-8951です。所在地は大阪市西区新町にあり、詳細な資料やデモの依頼も受け付けています。