葛飾北斎の隠れた才能に迫る!―「摺物」の世界
この秋、信州小布施町にある北斎館では、葛飾北斎が手がけた「摺物」に焦点を当てた、特別な企画展が開催されます。一般的に知られている浮世絵とは異なる魅力を持つ摺物。その繊細な表現と、狂歌との意外な組み合わせに迫ります。
知られざる「摺物」の魅力
「摺物(すりもの)」とは、主に正月や季節の節句、あるいは祝い事など特別な機会に制作された、注文制作の木版画です。仲間内で配られたり、芸能発表の告知に使われたりと、現代の私たちには馴染みの薄い存在かもしれません。しかし、その制作には、高度な技術が駆使されており、商品として作られた浮世絵とは異なる魅力が秘められています。
北斎館の企画展では、数少ない現存する摺物作品を展示。その繊細な描写や、金銀摺りなどの高度な技法を間近で鑑賞できます。
狂歌とのコラボレーション
北斎の摺物には、狂歌師の歌に絵を添えた「狂歌摺物」が多く含まれています。ユーモラスな歌と、北斎の絵画が織りなす独特の世界観は、当時の庶民文化の一端を垣間見せてくれます。絵画だけでなく、狂歌の内容にも注目することで、作品への理解がより深まるでしょう。
企画展概要
展覧会名: 知られざる至極の木版画 摺物
会期: 2023年9月2日(土)~11月12日(日)
時間: 午前9時~午後5時 (最終入館午後4時30分)
会場: 信州小布施 北斎館
入館料: 大人1,000円、高校生500円、小中学生300円
※9月2日は屋台展示室はご覧いただけません(入館料 大人800円)
※着物で来館の方には、入館料半額の割引があります!
休館日: 会期中無休
関連イベント
企画展と合わせて、以下のイベントも開催されます。
講演会: 「江戸狂歌の楽しみ方 参加・投稿・摺物」
講師: 小林ふみ子先生(法政大学文学部教授)
日時: 9月17日(日) 14:00~
場所: 北斎館 映像ホール
定員: 50名(予約不要、先着順)
ギャラリートーク: 学芸員によるギャラリートークが、9月23日、10月7日、11月4日の各土曜日14時から開催されます。(要入館券)
北斎館について
北斎館は、葛飾北斎の作品を数多く所蔵する美術館です。北斎の肉筆画、晩年の代表作である小布施の祭屋台天井絵「龍」「鳳凰」「男浪」「女浪」など、貴重な作品を常設展示しています。
まとめ
この企画展は、葛飾北斎の新たな一面を発見できる貴重な機会です。繊細な技術と、当時の文化が融合した「摺物」の世界を、ぜひご堪能ください。
お問い合わせ: 一般財団法人 北斎館 TEL: 026-247-5206
北斎館ウェブサイト
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