能登半島地震に奇跡のきのこが誕生
能登半島地震の影響で多くの生産者が打撃を受けましたが、その中にあっても生き残ったのが「奇跡のぶなしめじ」です。2024年1月1日に発生した地震で被害を被ったのは、年間9000トンのぶなしめじを生産する株式会社ミスズライフの能登工場。この工場は全体の約20%を占める重要な施設です。
地震当日、培養されていた280万本の菌糸瓶の中には壁が倒れずに無事だったものもありました。しかし、210日間も放置されるという厳しい運命が待ち受けていました。あきらめかけた中、本社のある長野で試験的に栽培を試みた結果、思いがけず芽吹いてきたとのことです。形状にはばらつきがあるものの、その生命力には驚かされます。
ぶなしめじの歩みと栽培の歴史
ぶなしめじは1970年代に大手酒造メーカーが栽培に成功し、1972年から長野県下伊那地方で本格的に栽培され始めました。当時は天然の原木を用いた栽培から、おがこを使った菌床栽培へと移行し、その結果、急激に生産量が増加しました。1990年頃にはえのきに生産量で抜かれ、ぶなしめじは新たな人気を獲得していきました。
ぶなしめじの栽培で重視されるのが「菌糸の培養」です。そのプロセスでは、温度と湿度を管理し、70日間かけて菌糸を育て、その後収穫されます。しかし、今回は特別な事情から210日以上にわたって培養されたため、温度や湿度の管理が行われていませんでした。
野性の力を取り戻したぶなしめじ
長期間にわたって培養されたこの奇跡のぶなしめじは、うまみ成分が通常の1.5倍も増加し、そのサイズはエリンギに匹敵するほどにまで成長しました。まるで野生の力を取り戻したかのようで、全体の形状にも力強さが溢れています。これは、通常の栽培では味わえない特別な魅力です。
株式会社食文化はこの貴重なきのこの魅力を広めるべく、インターネットでの販売を開始しました。購入は、豊洲市場ドットコムやうまいもんドットコムで行え、数量限定での取り扱いです。すべての人にこの特別なぶなしめじを楽しんでもらいたいと考えています。
販売の詳細と地域支援
食文化は、「能登のために、石川のために応援消費お願いプロジェクト」を通じて石川県と能登を支援しています。高品質の農産物を地域に届けるだけでなく、地震での苦難を乗り越えた生産者へのサポートとしても重要な役割を果たしています。
若干のニュースではあるものの、復興への道のりは始まったばかりです。ぜひ、皆さんもこの「奇跡のぶなしめじ」を味わい、応援の手を差し伸べてみてください。食に対する感謝と、地域への愛を込めて、ぜひお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。販売は2024年9月末頃までを予定していますので、急いで手に入れることをお勧めします。