エナガを知り、自然を感じる一冊
児童文学の中でも特に注目を集めているのが、株式会社文一総合出版から出版された写真絵本『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』です。2025年に行われた第72回産経児童出版文化賞で「産経新聞社賞」を受賞し、その人気がうなぎ上りとなったこの作品は、なんと重版が決定しました。ここでは、この絵本がどのようにして子供たちの心を掴んだのか、そしてその内容について詳しく紹介していきます。
本書の特徴
本書は、身近な場所で観察できる野鳥「エナガ」の一年間の生活を追った写真絵本です。巣作りからヒナの巣立ち、貴重な生態写真まで多数収録されており、エナガの生活を深く理解できる内容になっています。これまで目にすることの難しかった貴重な写真が満載で、子供たちだけでなく、大人にとっても魅力的な一冊です。
『エナガのくらし』の文を担当したのは、絵本作家の東郷なりさ氏。彼女は、東京農工大学で地域生態を学んだ後、ケンブリッジで挿絵技術を磨きました。そして、自然に対する深い思いを込めてエナガの命のつながりを描写しています。また、写真を担当したのは自然写真家の江口欣照氏で、彼の美しい写真は本書の魅力をさらに引き立てています。
エナガの魅力
エナガは、体長約13〜14cm、わずか7gの小さな小鳥です。特徴的な長い尾羽と、愛らしい姿が魅力で、一般的に樹木の多い地域や公園で見ることができます。鳴き声は「ジュリリリ」と聞こえ、エナガに出会う楽しさを子供たちにも伝える一要素となっています。
絵本では、エナガが仲間と一緒にいることの重要性についても触れられています。彼らは単独では生きられず、仲間と行動することで餌を見つけたり、天敵から身を守る知恵を学びます。このようなエナガの生態を知ることで、自然との共生の大切さを再認識させられます。
受賞歴と評価
『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』は、小学校中学年向けの北海道指定図書にも選出されるなど、教育現場でも高く評価されています。また、2025年度の厚生労働省社会保障審議会推薦や全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれ、多くの場面で活用されています。
この絵本はただの絵本に留まらず、子供たちが自然について学び、命の大切さを感じるための教材ともなっています。エナガを通じて自然を観察し、その存在の意義を知ることができる一冊は、まさに未来の世代に託すべき大切な作品と言えるでしょう。
書籍情報
- - 書名: 命のつながり7『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』
- - 著者: 東郷なりさ(文)/ 江口欣照(写真)
- - 発売日: 2024年10月11日
- - 定価: 2,200円(本体2,000円 + 税)
- - ISBN: 978-4-8299-9021-6
- - 発行所: 文一総合出版
- - 購入方法: Amazonや楽天ブックスで購入可能です。
この絵本を通じて、エナガという小さな命が持つ大きな意味を感じ、皆さん一人一人が自然について考えるきっかけとなることを願っています。