英彦山の宿坊復活プロジェクト
福岡県の霊峰・英彦山は、日本の三大修験の聖地として知られています。かつては、江戸時代に800軒以上の宿坊が立ち並び、多くの山伏や参詣者が訪れていました。しかし、明治時代に入ると、廃仏毀釈や神仏分離令、さらには修験道禁止令などの影響で、英彦山の山伏文化は壊滅状態に追いやられました。多くの歴史的文化が失われようとしている中、一般財団法人徳積財団は英彦山の宿坊復活プロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトの第1弾として、英彦山最古の宿坊である「守静坊」が再生されることになりました。守静坊は、かつての面影を残しつつ、本物の宿坊として復活を遂げることを目指しています。昨年11月に工事が始まり、内部の内装はほぼ完成しましたが、残る大仕事が屋根の復活です。この屋根の葺き直しは、地域の結(ゆい)という相互扶助の共同体によって行われます。
屋根の復活と結の重要性
「結」は日本の地域社会で古くから大切にされてきた概念で、共同作業を通じて助け合うシステムを示しています。村の人々が協力して家々の屋根を直したり、堤防を修理することで、強い結束が生まれます。この「結」によって、先祖たちや著名な歴史的人物たちは育まれてきました。
近年は不安定な社会情勢が続いており、未来を担う子どもたちに良いお手本となる大人の姿を見せたいという思いも強くなっています。英彦山の宿坊復活プロジェクトは、歴史を終わらせず新たな歴史を共に創り上げるための第一歩となることでしょう。
イベント情報
この宿坊の屋根を葺き直すイベントが以下の日程で行われます。
- - 日時: 令和4年4月2日(土) 9時30分~12時
- - 場所: 田川郡添田町英彦山731番地 守静坊(銅の鳥居に駐車場あり)
- - 参加: 無料(軍手と長靴を持参ください)
みんなの力で伝統を守る
「一人の一歩よりも百人の一歩」という言葉が示す通り、多くの人々が集まって一緒に作業することで、伝統や文化を守り育てることができます。このプロジェクトは、先人たちへの感謝を示すだけでなく、信仰の場所としての英彦山を甦らせる重要な機会です。ぜひ多くの方々にご参加いただき、共に歴史を未来へ繋いでいきましょう!
謝辞
この取り組みは、地域の人々を始め、全国各地からの協力によって成り立っています。参加を希望する方は、下記の関連リンクから詳細をご確認の上、この貴重なイベントに参加してください。