中古マンション市場と金利
2025-10-03 17:22:30

住宅ローン金利高騰が中古マンション市場に及ぼす影響とは

2025年9月住宅ローン金利と中古マンション市場の変化



現在、日本の住宅市場は大きな転換点を迎えています。2025年における住宅ローン金利の高騰が、中古マンション市場にどのような影響を及ぼしているかを分析していきたいと思います。

住宅ローン金利の高騰とは


住宅ローン金利が高騰する背景には、主に中央銀行の利上げ政策や経済動向があります。金利が上昇することで住宅取得のコストが増え、一般的には不動産市場が冷え込む傾向があります。特に、中古マンション市場は金利上昇に敏感です。過去のデータを基にした「DH住宅ローン指数」によると、主要銀行のローン金利はこの数ヶ月で大きく変動しており、借り手にとっては頭の痛い状況です。

中古マンション市場の動向


住宅ローン金利の高騰が影響し、中古マンションの市場価格は変化しています。例えば、首都圏の地区では、東京都を除く神奈川県、千葉県、埼玉県において、坪単価が緩やかに減少していることが観察されています。しかし東京都は依然として高い需要が続いており、価格水準は上昇しています。これは一見すると矛盾した現象に見えますが、詳しいデータ分析を行うと事情がわかります。

価格下落の理由と実態


最近のデータ分析では、実際の価格動向は一見した「下落」とは異なることがわかりました。特に築年別のデータを細かく検討すると、いずれの築年帯でも坪単価に明確な減少が見られないことがわかります。2006年以降築、1983年から2005年築、1982年以前築の3つの区分で調査した結果、各区分の市場価格は横ばいまたは上昇しているのです。つまり、一部の中古マンションの成約件数が減少したことが全体の価格下落を引き起こす要因と見られます。

成約件数シェアの変化


成約データを調べると、近年では「2006年以降築」の物件の成約数が減少し、古い築年帯の物件のシェアが増加しています。この現象は、比較的購入しやすい築古物件への需要シフトが影響しています。このため、一見すると平均坪単価が下がっているように感じられるのですが、実際には構成比の変化によるものです。

駆け込み需要と今後の見通し


さらに、金利上昇前に「今のうちに購入しておこう」という意識が強まることが見込まれます。特に、2024年から金利負担が増えると予想されるため、駆け込み需要が中古マンション市場を支えるでしょう。今後の焦点は、この駆け込み需要がどれだけ持続するか、また築古物件への評価がどのように変化するかです。金利動向がさらなる注意を集める中、市場がどのように進展するのか、目が離せません。

まとめ


住宅ローン金利が高騰する中でも、中古マンション市場は単純な下落局面にはありません。「築浅物件の価格高騰による代替需要の拡大」「金利上昇前の駆け込み購入」という二つの要素が複雑に絡み合っています。この複雑な状況を理解することが、今後の不動産投資にとって不可欠となるでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

会社情報

会社名
マンションリサーチ株式会社
住所
東京都千代田区神田美土代町5−2第2日成ビル 5階
電話番号
03-5577-2041

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。