成長企業と老舗企業の成功M&A
2023年、設立から10年を迎えた株式会社KYOUKARAが、地域に根ざした500年の歴史を持つ武蔵商事株式会社に譲渡する運びとなりました。KYOUKARAは賃貸物件の原状回復工事を行う企業として、大手不動産管理会社との提携を活かし、内装から清掃まで一貫したサービスを提供してきました。このM&Aは、企業のさらなる発展と従業員の雇用維持を目指して、代表の清水陽介氏が主体となり進められました。
清水氏は、事業が順調である今がM&Aを考える絶好のタイミングだと確信し、「出口戦略」としてのM&Aを検討しました。特に重視したのは、次世代に責任を持って経営を引き継ぐこと。従業員らの雇用を守ることも含め、彼にとっては非常に重要な選択でした。
複数の候補の中から選ばれた武蔵商事
KYOUKARAの譲渡先に選ばれた武蔵商事は、500年以上もの歴史を持つ不動産開発・賃貸業者です。この社の安定した経営と清水氏の理想に合致した企業文化が、譲渡の決め手となりました。特に、M&A後も清水氏が代表取締役として引き続き事業に関与できるという点は、安心材料となりました。また、武蔵商事の高い従業員定着率から伺える、社員を大切にする社風も大きな魅力となりました。
武蔵商事は、賃貸物件の原状回復工事に関して自社内での実施を目指してきた経緯があります。これまで外注していた部分を自社でコントロールし、スケジュール管理の迅速化や利益率の向上を図ろうとしています。KYOUKARAの持つ若手の技術者たちや、強力な大手管理会社との取引は、彼らにとっても大きな資産となるでしょう。
互いに強みを活かす新しい関係
譲渡後、清水氏は代表取締役としての役職を継続し、従業員の雇用を保ちながらスキルアップを促すことに注力します。これにより、グループ全体の売上を向上させる新たなビジョンを持っています。このM&Aは、成長企業であるKYOUKARAと、歴史ある老舗企業の武蔵商事が出会うことで互いの強みを最大化し、更なる発展へとつなげる事例となりました。
このようにして実現したM&Aは、株主、従業員、顧客の利益追求を維持しつつ、持続可能なビジネスモデルを築いています。今後の両社の成長に期待が寄せられる瞬間です。
会社名:株式会社KYOUKARA
業種:内装工事業
所在地:東京都武蔵野市
代表者:清水陽介氏
会社名:武蔵商事株式会社
業種:不動産業
所在地:東京都杉並区
代表者:宇田川紀通氏
この成功事例が、今後他の企業にもM&Aの重要性や可能性を示す契機となることを願っています。