平和の本質を考えるアートプロジェクト
広島で新たなアート展示が行われる。このプロジェクトは「この地には70年間は草木も生えない」との言葉を背景に、戦後80年という節目を迎え、未来に向けた問いを投げかけるものだ。若者とアーティストが共同で、平和を「語る」のではなく、「問いかける」モニュメントを立ち上げることで、客観的に平和について考えさせる機会を提供する。
プロジェクトの背景
戦争の記憶が薄れつつある現代にあって、再び広島を訪れることで人々は平和の本質に触れ、その意義を再考することが求められている。彼らが選んだのは、「記念」や「主張」ではなく、あえて「問い」を差し出すという選択だ。沈黙の中に余白を持たせたアートは見る人に考える時間を与え、次の平和を生む種となることを信じている。
言葉を超えたアートの力
今回の展示では、言葉を用いるのではなく、アートを通して平和を表現する。花の儚さや竹の静けさが、観る者の心に直接訴えかける。「語らずに、耳を澄ます。」それが、このモニュメントの核心にある考え方である。言葉が持つ誤解や衝突を避け、アートは感情や想いをダイレクトに届けることができる。
未来の可能性を示す展示
広島の土地で新たな「問いの花」を咲かせることは、過去を遡ることを意味しない。むしろ、それは未来への展望を促進する表現である。この場所での沈黙と再生の歴史が、今後の平和に向けての新たな視点を提供することを期待している。
展示詳細情報
展示のタイトルは「戦後80年 平和モニュメントプロジェクト 2025〜 問いかけのかたち – The Shape of a Question 〜」。会期は2025年8月26日から9月14日まで、Pride of Hiroshimaで行われる。
- - 会場: 広島県広島市中区基町5-25 ひろしまゲートパーク内「シミントひろしま」C棟2F
- - 開館時間: 10:00~18:00 (休館日: 月曜日)
- - 観覧料金: 無料で入退場自由
このプロジェクトは、ただ学生とアーティストの作品としてだけでなく、訪れる人々が共に「言葉の花」を咲かせることで完成する、参加型のアート体験である。
制作体制・協力の背景
このプロジェクトは、広島大学モニュメントプロジェクト実行委員会が主催し、株式会社 美榮が共同開催を行う。また、広島大学やPride of Hiroshimaも協賛している。展示の制作と演出には、華道家と竹あかり演出家が関わり、独特の視点からアートの観点を広げている。
結びに
この展示では、答えも具体的なメッセージもない。ただし、静かに考えさせられる「問い」がある。心の中でその問いをこの地で見出し、広島に生きる意味を考えてほしい。この問いが誰かの平和に向けた考えの一助となることを願っている。
お問い合わせ先
担当: 橋詰 徹
Email:
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