慶應義塾が提案する循環型ものづくりシステム「双鶴」とは

2025年に開催される日本国際博覧会。その中の日本政府館「ファクトリーエリア」で、慶應義塾大学の最新技術が体験できます。展示されるのは、3Dプリンタを駆使した循環型ものづくりシステム「双鶴」です。このシステムは、環境を考慮した持続可能な製造方法を目指しており、注目を集めています。

3Dプリンタの利点

3Dプリンタの最大の特徴は、従来の製造方法に比べて廃棄物や騒音を大幅に減少させられることです。また、電力消費量も抑えられ、環境への負荷が少なくなります。この技術が普及すれば、製造業界はさらに持続可能な方向へ進むことが期待されます。特に「双鶴」では、2台のロボットアーム型の3Dプリンタが互いに協力し合いながら作業を行い、その動きはまるで鶴が飛び交うようです。これは、「いのちと、いのちの、あいだに」という日本館のテーマに深く関わる表現となっています。

藻類スツールの実物展示

展示には、慶應義塾大学環境情報学部の田中浩也教授が設計した3Dプリントによる藻類スツールも含まれています。このスツールは実際に座ることができ、訪れる人々に3Dプリントのユニークなデザインを体感してもらう機会を提供します。藻類を使うことで、自然との共生を意識した作りになっており、循環型ものづくりの一例としてその重要性を訴えかけています。

今後の展望

「双鶴」は、単なる展示にとどまらず、将来的な製造業の在り方を示す指標ともなり得るプロジェクトです。慶應義塾大学のグローバルリサーチインスティテュート（KGRI）の環デザイン＆デジタルマニュファクチャリング創造センターが中心となり、持続可能な製造についての研究開発が進められています。このプロジェクトが日本国際博覧会で紹介されることによって、国内外の人々に意識を広めるきっかけになることが期待されます。