ファミマのコーヒーとエチオピア
2024-11-15 11:27:05

コーヒー2050年問題とファミリーマートの取り組み:エチオピアへの教育支援と環境配慮

コーヒー2050年問題とファミリーマートの挑戦:エチオピアへの支援と環境への配慮



ファミリーマートが、コーヒー豆かすの有効活用とエチオピアの子どもたちへの教育支援という、二つの重要な取り組みを通して、コーヒー業界が直面する深刻な課題「コーヒー2050年問題」に取り組んでいる。この問題とは、気候変動や病害虫、経済的な困難などによって、2050年にはアラビカ種コーヒー豆の生産量が現在の半分にまで減少する一方、需要は増加し続けるという、深刻な供給不足の危機を指す。

環境への配慮:コーヒー豆かすの脱臭ポット



ファミリーマートでは年間約4180トンにも及ぶコーヒー豆かすを、これまで廃棄していた。しかし、環境問題への意識の高まりを受け、このコーヒー豆かすを再利用する革新的な取り組みをスタートさせた。開発されたのは、コーヒー豆かすを充填して使用する脱臭ポットだ。このポットは、各店舗のトイレや事務所に設置され、豆かすの持つ高い脱臭効果を活用することで、廃棄物を削減し、環境への負荷を軽減する。

カケンテストセンターによる試験結果では、コーヒー豆かすはミクロン単位の無数の穴により、アンモニアガスや硫化水素ガスなどの臭いを効果的に吸収することが確認されている。年間約1038トンのコーヒー豆かすを再利用するという、大きな環境貢献が期待される。

エチオピアへの教育支援:未来への投資



ファミリーマートは、エチオピアの子どもたちへの教育支援にも力を入れている。同社が販売する「モカブレンド」に使用されているモカ豆は、エチオピアのイルガチェフェ産を60%配合。コーヒー2050年問題の深刻な影響を受けているエチオピアの現状を踏まえ、持続可能なコーヒー生産のための支援が不可欠だと判断したのだ。

2024年4月~6月にかけて、「モカブレンド」と「アイスモカブレンド」の販売1杯につき1円を寄付するキャンペーンを実施。集まった資金は、エチオピアのモカ豆生産地にあるベレラ学校に寄付された。支援内容は、トイレ4室の新設、教科書700冊、ノート2500冊の提供、そして生理用品が不足している女子生徒のために、繰り返し使える吸水ショーツ1700個の提供など、多岐にわたる。

現地からの声:教育の質向上と未来への希望



ベレラ学校の生徒や教師からは、感謝の言葉が寄せられている。新しい教科書によって学習効率が向上し、吸水ショーツによって女子生徒の学習機会の確保につながったことなど、具体的な成果が報告されている。教師からは、コーヒーの栽培方法を子どもたちに教え、エチオピアのコーヒー生産の向上に貢献したいという強い意欲も聞かれた。

TNFD開示への取り組み:透明性と持続可能性



ファミリーマートは、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の開示提言に基づき、エチオピア産コーヒー豆の栽培状況に関するレポートを公開した。大手コンビニとしては初の取り組みであり、透明性と持続可能性への強いコミットメントを示している。

未来への展望



ファミリーマートは、コーヒー豆かすの再利用とエチオピアへの教育支援を通して、コーヒー2050年問題への積極的な取り組みを継続していく姿勢を示している。環境保護と持続可能なコーヒー生産への貢献は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、未来への投資でもある。この取り組みは、企業が社会課題解決に積極的に関与する一つのモデルケースと言えるだろう。


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会社情報

会社名
株式会社ファミリーマート
住所
東京都港区芝浦3-1-21msb Tamachi 田町ステーションタワーS 9F
電話番号
0120-079-188

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