画期的な取り組み、2025年大阪・関西万博での紙おむつリサイクル
TOPPAN株式会社は、2025年に開催される大阪・関西万博において、使用済み紙おむつのリサイクル実証実験を実施することを発表しました。このプロジェクトは、万博会期中に会場内で発生する使用済みの紙おむつを回収し、リサイクルすることによって、その重要性を広めることを目的としています。
リサイクルの背景
日本は高齢化社会に直面しており、紙おむつの排出量は増加傾向にあります。実際、2020年度の紙おむつが一般廃棄物に占める割合は、5.2〜5.4%でしたが、2030年には6.6〜7.1%に達すると予想されています。今現在、大多数の使用済み紙おむつが焼却処理されているため、リサイクルの推進は非常に重要です。特に、環境省のガイドラインに則り、紙おむつのリサイクルを進めることは急務です。
TOPPANは、地域の自治体や企業と連携し、この問題に取り組むために、2025年の万博会場で実証実験を行い、国内外の訪問者に対してリサイクルの重要性を伝えます。
実証実験の概要
実証実験では、会場内の休憩所やトイレなど11か所に回収ボックスを設置し、そこで集められた使用済み紙おむつを処理する予定です。回収された紙おむつはリサイクル工場に送られ、パルプとプラスチックに分離され、遊具や棚などにアップサイクルされます。
インタラクティブな回収箱
使用される回収箱のいくつかには、環境啓発の映像を映すことができるインタラクティブなデザインの「PoyPort®︎」が導入されます。この回収箱は、視覚的な訴求を通じて、利用者の関心を引き、積極的な利用を促進します。
保管とリサイクル
回収された紙おむつは、万博の敷地内に設置された一次保管所で保管され、臭気対策としてTOPPANのバリアフィルムが採用されます。また、開催中のパビリオンには、再利用された紙おむつを原料としたアップサイクル製品が展示されます。
共感を広げる取り組み
TOPPANは、保育園や病院など使用済み紙おむつを多く排出する施設に対し、実証で製造したアップサイクル品や回収ボックスを寄付し、リサイクルの認知をさらに向上させる計画も立てるなど、幅広い取り組みを展開しています。
未来へ向けたビジョン
TOPPANは、引き続き使用済み紙おむつのリサイクルを進めるために、自治体やリサイクル企業と連携し、アップサイクル製品の使用促進を図っていく考えです。持続可能な社会を実現するために、身近なリサイクルの重要性を啓発し続けます。こうした取り組みを通じて、TOPPANは「社会的価値創造企業」としての役割を果たしていくでしょう。
今回のプロジェクトは、万博という国際的な舞台で行われるため、特に注目されています。多くの人々にリサイクルの重要性を伝えるとの期待が寄せられています。TOPPANの実験が成功し、さらに多くのリサイクル事例が社会に広がっていくことが待たれます。