成蹊大学の学生が都市農業を学ぶ実践授業
成蹊大学(東京都武蔵野市)の経済学部では、学生たちが都市農業の現状と課題を理解するための実践的な授業を展開しています。2024年11月30日、経済学部の学生は、350年の歴史を誇る野菜農家「白石農園」(東京都練馬区)を訪れ、農業体験やインタビューを行う予定です。この取り組みは、都市における農業の重要性を考える貴重な機会となるでしょう。
都市農業の現状
全国的に見ても、都市農業は重要な役割を果たしています。農林水産省のデータによると、全国の農地面積429.7万haのうち、都市農業が占める農地は5.7万ha、つまり全体の1.3%に過ぎません。しかし、都市農業は、都市住民への新鮮な農産物の供給だけでなく、体験の場、環境の保全、防災空間等としても高く評価されています。実際、2023年の調査によると、71.1%の都市住民が都市農業の保全を望んでいるという結果が出ています。
成蹊大学の取り組み
成蹊大学経済学部では、地域社会とのつながりを重視したプロジェクト型授業(PBL)が行われており、学生たちは実際の社会問題に目を向けながら学びます。これまで座学で都市農業の理念や役割を学び、武蔵野市役所でのヒアリングを通じて、知識を深めてきました。今回の白石農園訪問もその一環で、実際の農業現場を体験することで、生きた学びを得ることが期待されています。
白石農園について
白石農園は、約100種類の野菜を生産し近隣のスーパーや飲食店に納品している、地域に根ざした農家です。農園の特徴としては、体験農園や季節ごとの収穫体験、学校給食への食材提供など、幅広い活動が挙げられます。特に、福祉作業所との農福連携という新しい試みも行っており、地域社会とのつながりも深めています。
実施概要
以下は実践授業の詳細です。
- - 日時: 2024年11月30日(土)13:00~16:30
- - 場所: 白石農園(東京都練馬区大泉町1‐54)
- - 内容: 農業体験、白石農園代表者(白石秀徳さん)へのインタビュー
- 都市農業の強みとその有効性について
- 農業と福祉の連携(農福連携)について
- 350年の歴史の中での変化について
学生たちが学び取るべきことは、単なる農業の現状だけではなく、地域社会にどのように貢献しているのか、更には未来の都市農業が目指す姿について考えることです。そして、実施後の2024年12月10日に予定されている発表会では、得た知見を社会に発信し、具体的な解決策を検討する予定です。
まとめ
このような授業を通じて、学生たちは都市農業の意義を深く理解し、将来のキャリアに役立つ経験を得ることができます。都市農業が抱える課題を考えることで、持続可能な社会の実現に寄与する人材に成長していくことが期待されています。興味がある方は、ぜひ白石農園を訪れてみてください。