2025年の消費動向調査
株式会社クロス・マーケティングが2025年10月22日から24日にかけて実施した「消費動向に関する定点調査」の結果が明らかになりました。本調査は、全国の20歳から69歳の男女1,200人を対象に行われ、消費者の生活実態、消費動向、景況感についてのデータが収集されました。調査の目的は、過去のデータと比較することで現在の経済状況を把握し、今後の景気を見通す手がかりを得ることにあります。
調査結果の概要
調査の中で、注目すべきは「睡眠時間」と「自宅で過ごす時間」の長さに関する指標が前年同期よりも低下したという点です。特に「自宅で過ごす時間」は、2009年以降で最も少なくなっています。この結果は、現代人が多忙な生活に追われ、自らの時間を持つことが難しくなっていることを示唆しています。また、趣味に費やす時間も前年比で減少しており、リラックスするための時間すら持てない消費者が増えているようです。
一方で、消費動向を見ると、「パチンコや競馬などのギャンブル」、「動画配信サービス」、「スポーツ観戦」、「インターネットカフェ」の利用頻度が軒並み低下しています。この傾向は、娯楽にかかる支出を抑えようとする意識の表れかもしれません。家庭でのビール消費やコンビニの利用頻度も減少しており、国民全体が慎重な消費行動をとっていることが伺えます。
今後の景気見通し
今後1年間の景気については、「悪くなると思う」という回答が37%、「良くなると思う」という意見はわずか10%という結果が出ました。これは景気回復への期待感が非常に低く、消費者の心理的な厳しさが影響していると言えるでしょう。さらに、個人の今後の消費については、「変わらない」と回答した人が60%を占め、「増える」「減る」という意見はほぼ同率の割合で分かれました。つまり、現状に対する不安が根強く、積極的な消費行動にはつながっていないことが明らかとなりました。
ポイント活動に見る消費者意識
最近注目されている「ポイ活」についても調査されました。ポイントを貯める方法としては、アプリを利用する人が45%、カードを使う人が33%という結果でした。このことは、若い世代の間ではデジタル管理が広がっていることを示しています。
ポイ活をする理由のうち、最も多いのは「日々の生活費を節約したい」というもので、これは年代を問わず共通しています。アプリでの管理が便利である一方で、レジでのアプリ起動に手間取るという不満の声も挙がっています。
まとめ
今回の調査結果は、消費者が抱える生活の厳しさが浮き彫りとなり、経済の先行きに対する不安感がいかに深刻かを示しています。お金を使うことへの抵抗感が高まっている中、個々の生活費をどうにか抑えようとする消費者の行動が明白に見受けられます。これからの経済政策や企業のマーケティング戦略がどのように変化していくのか、今後の動きに注目です。