ドローン市場の拡大と安全への懸念
現在、ドローン産業は急速に成長を遂げています。しかし、この成長に伴って深刻な問題が浮かび上がっています。それは、「万が一の事故に対して応急処置ができる人材が不足している」という現実です。千葉市の株式会社ダイヤサービスは、この問題に6年前から取り組んできました。ドローン事故を想定し、実践的な応急手当講習を救急救命士や看護師、客室乗務員と共に開発し、地道に広めているのです。
受講者から寄せられる声には「実践的で安心できる内容」といった評価がある一方で、「コストが高く、他のスタッフにも受講を促せない」といった声もあります。このため、ダイヤサービスは講習の品質を保ちながら、より多くの人に受講機会を提供するための新たな仕組みを導入しました。それが、協賛パートナー制度です。
協賛パートナー制度の設立
新しく設立されたこの制度は、「必要とされる講習を、必要としている人へ届ける」ことを目的としています。講習の普及と受講費の抑制を通じて、業界全体での安全性向上を図るものです。この取り組みに賛同する企業や団体の協力を得て、ドローン事故による被害を最小限に抑える社会的な仕組みを構築することを目指しています。
ドローン事故は予見できないリスク
ドローンの運用にあたっては、法令遵守が求められます。しかし、法令では対処しきれないヒューマンリスクが存在します。例えば、ドローンが人に衝突した場合や、墜落によって第三者が害を受けることがあります。特に航空法の規制によって、人里離れた地域で運用するケースが多いのが実情です。万が一の際、救急車が到着するまでに時間がかかる可能性もあるため、最初の10分間での初期対応が重要です。つまり、現場で即対応できる人材の育成が急務です。
2022年に航空法が改正され、負傷事故発生時の救護措置が義務付けられましたが、依然として多くのドローン事業者は「操縦訓練」ばかりを重視しており、事故時の対応教育が整っていないのが現状です。ダイヤサービスは、こうした課題に対処するため、実践的な対応法を教える「現場起点の講習」を先駆けて行ってきました。
今後の展望と協力の呼びかけ
6年間、使命感を持って続けてきた講習ですが、これから必要とされるのは「仲間」の力です。ドローン産業に関わるすべての人に応急手当のスキルを持たせ、災害時の備えがある現場を増やしていくためには、共にこの取り組みを広げてくれる企業や団体の協力が必要です。協賛企業には、CSR活動の強化を通じて社会的信頼を得る機会が提供される他、社員教育のコスト削減や営業面での差別化といった具体的なメリットがあります。
初期協賛企業には、広報やメディアでの優先的な紹介も行われるため、企業にとっても実質的なリターンが期待できます。
最後に
ドローン業界における安全教育に関する今回の取り組みは、現時点ではまだ十分に整備されていない領域に切り込むものです。今後の社会受容性や制度設計に大きく影響を与える可能性を秘めています。ぜひ、貴メディアでこの挑戦を取り上げて頂ければと思います。