経済産業省 モビリティDXプラットフォーム構築を自動車技術会に受託
公益社団法人自動車技術会が、経済産業省からの依頼で「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(モビリティDXプラットフォーム構築・運用事業)」を受託しました。このプロジェクトは、日本が直面する自動車産業のグローバル競争において、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じてその競争力を強化し、2030年から2035年にかけて無人自動運転技術やソフトウェア定義車両(SDV)の普及を目指しています。
事業の目的と背景
近年、自動車業界はデジタル技術の進化を受け、バリューチェーンや産業構造が急速に変化しています。そのため、経済産業省と国土交通省は「モビリティDX戦略」を策定し、日本の自動車産業が持続的な競争力を確保できるよう、具体的な施策を進めているのです。この「モビリティDXプラットフォーム」では、企業や専門家、情報が集まり、次の3つの目的に基づいて活動を行います。
1.
情報共有・連携の促進
2.
人材の獲得・育成
3.
新たな取り組みの検討
具体的な取り組み
1. 情報共有・連携促進にかかる取り組み
このプラットフォームでは、国内外の政策や取り組み動向を調査し、その結果を広く配信します。また、モビリティDXに関するイベントやワークショップも開催し、情報発信やネットワーキングの場を提供します。
2. 人材獲得・育成にかかる取り組み
自動運転AIチャレンジ2024や、VicOne株式会社、三菱総合研究所が共催する「Automotive CTF Japan」のプロモーションを行います。さらに、SDVに関する最新技術を考慮したハッカソンやワークショップ、シンポジウムも企画し、人材の育成に努めます。また、スキルを育成するための講座を新設し、その情報をプラットフォーム上に整理します。
3. 新たな取り組みの検討にかかる取り組み
モビリティDXに関連する新しい課題や政策ニーズに対応するため、議論の場を設け、必要なプロジェクトを検討します。この取り組みの運用は、対面で行うことが想定されています。
モビリティDXプラットフォームのローンチイベント
「モビリティDXプラットフォーム」のローンチイベントが10月中旬に開催される予定です。このイベントでは、経済産業省のモビリティDX戦略が紹介されるほか、自動車技術会の中畔会長による事業内容の説明があります。産学官のキーパーソンが参加するパネルディスカッションも行われ、多角的な視点から最新技術の議論が展開されます。
イベントはオンラインでも中継され、全国どこからでも参加できるように配慮されています。さらに、「自動運転AIチャレンジ2024」などの最新コンペティションについても紹介され、未来のモビリティ社会に向けた議論が進められます。詳細情報は、9月20日頃に発表される予定です。
自動車技術会について
公益社団法人自動車技術会(JSAE)は、1947年に設立された国内最大の自動車関連技術の学術団体です。会員数は約46,000名、企業会員は約700社に上り、技術者や研究者が集まり自動車産業の発展に貢献しています。研究成果の発表や次世代技術者の育成を進めるこの団体は、国内外の関連機関との交流を通じても重要な役割を果たしています。
取材の問い合わせ先
詳細や取材の依頼については、自動車技術会の広報部までご連絡ください。
この取り組みが、日本の自動車産業に革新をもたらし、未来の交通社会を見据えたポジティブな影響を与えることが期待されています。