井波彫刻展の魅力
2023-09-13 10:00:02
神戸で開催される井波彫刻物語を彫る展覧会の魅力に迫る
井波彫刻が魅せる物語
神戸市にある竹中大工道具館で、2023年9月30日から「井波彫刻―物語を彫る」展がスタートしました。この企画展は、井波彫刻の豊かな歴史とその魅力を紹介するもので、12月3日まで開催されます。
展覧会の基本情報
この展覧会は、井波彫刻協同組合や山田写真製版所との協力により実現しました。会場は神戸市中央区熊内町に位置し、開館時間は午前9時30分から午後4時30分まで。入館料は一般700円で、大高生や65歳以上は500円、中学生以下は無料で、常設展示も観覧できます。月曜日は休館日ですが、祝日の場合は翌日が休館となります。
展示内容は彫刻欄間17点、祭り彫刻4点、寺院彫刻3点、資料4点など、合計31点があり、井波彫刻の多彩さを一堂に体感できる貴重な機会です。
彫刻の種類と見どころ
寺院彫刻
井波彫刻の起源は、寺院の美しい装飾にあり、瑞泉寺などに多くの作品が残っています。これらの彫刻は、遠くからでも目を引くように深彫りされ、力強い造形が特徴です。訪問者は、獅子や龍、動植物の彫刻をじっくりと観察し、彫刻の存在感を感じることができます。
祭り彫刻
井波の彫刻師が手がけた屋台や曳山の飾り彫刻も必見です。祭りに使用される彫刻は、人々の目の前でより精緻な表現力が求められます。今にも動き出しそうな龍や人物が施された彫刻は、躍動感に満ちています。祇園祭や神社の祭りの盛大な飾りが、井波彫刻の特徴を際立たせています。
和室彫刻
明治時代になると、井波の彫刻技術は和室の欄間にも応用されました。彫刻欄間は、旅館や料亭をはじめとする多くの場所に取り入れられ、一家に一つはあるとも言えるほど一般家庭にも広まりました。この欄間には、動植物や名勝を描いた作品があり、そのリアリティの高さは井波の職人技を示しています。
裏舞台の紹介
展覧会では、彫刻師の制作過程や使用する道具も展示されています。荒彫りから完成に至るまでの工程が映像で紹介されており、見学者はその細部まで注目することができます。
関連イベント
この展覧会に関連した講演会や見学会も開催されます。特に、名古屋城の彫刻をテーマにした記念講演会は、井波彫刻伝統工芸士の岩倉綾泉氏を招いて行われ、復元の工程についての裏話も聞けます。さらに、井波彫刻師による東本願寺の彫刻ガイドツアーも予定されており、僧侶の視点からの解説も楽しめる貴重な機会です。
全体を通じて、井波彫刻の魅力を余すところなく体感できるこの展覧会。彫刻に込められた物語をその目で確かめに、ぜひ足を運んでみてください。
会社情報
- 会社名
-
公益財団法人竹中大工道具館
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1
- 電話番号
-
078-242-0216