Space CompassとESAが新たな時代を切り開く
2023年、株式会社Space Compassと欧州宇宙機関(ESA)は、衛星間の光通信ネットワークシステムに関する共同実証の検討を開始するための覚書を締結しました。この決定は、宇宙通信技術の革新に向けた重要なマイルストーンであり、両者の協業が実現する未来の可能性に期待が高まっています。
Space Compassの取り組み
株式会社Space Compassは、日本電信電話(NTT)とスカパーJSATの合弁会社で、宇宙統合コンピューティング・ネットワークの構築を目指しています。特に、2022年度から進行中の「LAIDENプロジェクト」では、低軌道衛星を用いた光通信コンステレーションの開発と実証を行っており、そのネットワーク構築には、国立研究開発法人のNEDOやNICT、アクセルスペースなどが協力しています。このプロジェクトは、国際的な信号伝達の効率性を高めるための重要なステップとなります。
ESAのHydRONプロジェクト
一方、ESAが主導する「HydRONプロジェクト」は、テラビット級の容量を持つ地上ネットワークと宇宙通信を融合させ、新たな「クラウドを超えたインターネット」技術の発展を目指しています。このプロジェクトは、光および量子通信技術の発展を支援するScyLightプログラムの一環として位置付けられており、国際的な技術交流と共同研究を促進しています。HydRONには、カナダのKepler CommunicationsとイタリアのThales Alenia Space Italiaが参加し、これからの宇宙通信の枠組みを築くべく活動が行われています。
協業の期待
Space CompassとESAは、両プロジェクト間での協業の可能性について話し合いを行い、具体的な目標として以下の点を挙げています。
- - 技術的実現可能性の検討と、相互運用性テストの実施準備
- - 両システム間の相互運用性を確認するための試験計画の策定
- - 共同計画による軌道上試験の実行
この協業によって、宇宙通信ネットワークがより高度化し、業界全体の技術志向が高まることが期待されています。
Space Compassのビジョン
Space Compassが掲げる「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」では、様々な宇宙通信ネットワークを統合し、持続可能な社会の実現に寄与する技術の発展を目指しています。今回の共同実証は、このビジョンの具体化に向けた重要な一歩であり、今後の展開が楽しみです。
まとめ
宇宙通信の新たな時代が近づいていることが加速される中、Space CompassとESAの共同プロジェクトは、これからのテクノロジーの進化に大きな役割を果たすことでしょう。両者の継続的な協力がもたらす革新に期待を寄せながら、今後の続報に注目していきたいと思います。