デジタルツイン実装に向けた画期的な技術の開発
2023年度をもって、日本の国土交通省はBIM(Building Information Modeling)およびCIM(Construction Information Modeling)を原則として適用することを決定しました。これは全ての公共工事において、詳細な3次元モデルの作成と納品が求められるというものです。この背景には、業務の効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進がありますが、その一方で、仮想空間の利用には高額なツールや専門的な知識が必要とされており、社会実装の壁となっています。
これに対抗する形で、DataLabsと東京大学は新たな技術の開発に着手しました。この共同開発では、対象物を計測して得られた点群データを自動でモデリングする技術にフォーカスしています。両者は実際の現場で得られたデータを共有し、3Dモデルを作成するためのアルゴリズムを共同で設計します。特に、機械学習を用いることで、2次元の図面と3次元モデルを自動的に生成する機能のプロトタイピングを目指しています。
開発の進捗と今後の計画
このプロジェクトは、2021年内にプリミティブ形状の半自動モデリング機能を構築し、2022年度中には自動3次元モデリング機能のβ版をリリースするスケジュールです。DataLabsは、これらの技術を駆使して、点群データからの自動モデリングから各種CAE(Computer Aided Engineering)解析を行うシステムの構築を進めており、全ての機能をSaaS(Software as a Service)で提供することを目指しています。この取り組みを通じて、デジタルツインの社会実装を加速させることが期待されています。
共同研究への熱い思い
DataLabsの代表取締役、田尻大介氏は、「デジタルツインの社会実装を通じて最適化された社会を実現する」との強い意志を持っています。近年、建築、土木、交通インフラ業界において、デジタルツインの構築が急務となっていますが、一方で高額なツールと専門性が求められ、多くの事業者が利用しづらいという現実があります。DataLabsはこの課題を解決すべく、点群データの自動モデリングや様々なシミュレーション機能をSaaSで展開し、デジタルツイン実現のハードルを低めることに注力しています。これにより、業界全体での生産性向上と社会課題の解決に貢献することを目指しています。
東京大学人工物工学研究センターの大竹豊准教授も、本プロジェクトに期待を寄せています。彼は20年以上前に3次元スキャニングの可能性に魅了され、現在に至るまで研究を重ねています。「この技術が多くの分野で活用されるようになるため、全力を尽くします」と力強く語っています。
会社情報
Data Labs株式会社
- - 設立: 2020年
- - 代表取締役: 田尻大介
- - 所在地: 東京都中央区日本橋兜町 18-5
- - お問い合わせ: 広報担当 杉浦雄大
- TEL: 080-6582-9741
- Mail:
[email protected]
このように、DataLabsと東京大学の共同開発は、デジタルツインの実装を加速させ、社会に貢献することを目的とした重要な取り組みといえるでしょう。今後の成果に大いに期待が寄せられています。