岩手県一関市、生成AIを活用した福祉支援システムの実証実験開始
株式会社NTTデータ関西は、岩手県一関市と連携し、生活保護ケースワーカーの業務負担を軽減し、さらには市民サービスを向上させるための生成AIを活用した新しい支援システムの実証実験を実施します。この取り組みは2024年11月7日から2025年1月31日までの約3か月間行われます。
直面する3つの課題
一関市では、生活保護の申請数が増加する中、職員の体制変化もあり、以下のような3つの重要な課題を抱えています。これらの課題を早急に解決するため、市民との接点を強化したいと考えています。
1.
業務負担の軽減: ケースワーカー一人ひとりの業務負担を軽減する必要があります。
2.
新任職員の育成強化: 経験が浅いケースワーカーのスキル向上を支援する必要があります。
3.
サポート体制の強化: ベテラン職員による新任職員の指導体制を充実させる必要があります。
このような課題に対し、NTTデータ関西は全国の自治体向けに開発した「さぽとも」という支援システムを活用し、生成AI技術を取り入れた新たなシステムを構築しました。
実証実験の概要
生活保護業務は複雑で、一連の業務には「面接相談」「訪問調査」「定期訪問による管理」が含まれます。本実証実験では、特に面談業務の効率化にフォーカスし、「面談準備」「面談実施」「報告書作成」といった工程をスムーズに進める方法を検証します。これにより、新任職員とベテラン職員の業務効率における差を克服し、実際の業務での体験を通じて、ケースワーカーの業務負担を軽減することを目指します。
実施期間
- - 開始日:2024年11月7日(木)
- - 終了日:2025年1月31日(金)
- - 対象者: 一関市で生活保護を申請した方々の中で、事前に許可を得た方々
一関市の期待
一関市担当課は、NTTデータ関西の協力を得て、このAIを活用した業務支援システムが生活保護を必要とする方々への支援をより迅速かつ効果的に行う手段になることを期待しています。このプロジェクトが成功すれば、市民サービスの向上が見込まれるとともに、AI技術の導入がさらなる進展をもたらすことにつながります。
今後の展望
NTTデータ関西は、一関市のケースワーカーの業務課題を共に考え、解決に導くためのシステムづくりを推進していきます。今後は、生活保護ケースワーカーだけでなく、調査員や保健師など、他の自治体職員に対する外勤業務の課題にも取り組み、「さぽとも」や「ねすりあ」などの既存のサービスを活用し、さらなる業務負担軽減に向けたソリューションを提供していく予定です。
AI技術を活用し、地域全体の福祉向上に寄与するこの取り組みが、地域社会にどのような影響を及ぼすのか、今後の進展から目が離せません。