福井県の企業がワークスタイル変革で全国から注目を浴びる
2024年10月9日、福井市にて開催された「全国ワークスタイル変革大賞2024北陸・東海大会」では、革新的な働き方を提案する企業が数多く登壇しました。本賞は、地域におけるデジタルツールの活用と業務改善を評価するものであり、特に福井県の有限会社あんしん村グループが福井県知事賞を受賞し、株式会社昇竜が最優秀賞を獲得しました。
受賞企業紹介
有限会社あんしん村グループ
同社は、「ケアマネ・介護の現場をIT化したら、101才でもタブレットに電子サインできた」というテーマで、介護業務に関するデジタル化の取り組みを紹介しました。具体的には、業務プロセスの標準化を行うためにkintoneを利用し、手書きの書類をデジタル化。この結果、業務効率が著しく向上し、残業時間が大幅に削減されました。特筆すべきは、101歳の利用者がタブレットで自分のサインをすることができた要因にもなったデジタルリテラシーの向上です。
さらに、LINEを用いた情報共有やラベルプリンターの導入により、業務がスムーズに運営されるようになり、利用者との対話に集中できる職場環境の整備が進みました。代表の林智之氏は、「本当にありがとうございます。全国大会に向けて頑張りたいと思います」と語っています。
株式会社昇竜
最優秀賞を受賞した株式会社昇竜は、「ホームページをリニューアルし業務改善!地域貢献!」をテーマに取り組んできました。特に、新型コロナウイルスの影響を受けた中で、ホームページのリニューアルを契機にクレジット決済を導入し、請求業務を大幅に簡素化しました。これにより、従来33時間かかっていた作業時間がゼロになり、余剰となった時間を有効活用することで、付加価値の高い業務に社員が集中できるようになりました。
また、地域特産品の予約販売システムも構築し、生産者に安定した収入をもたらすことにも成功しています。代表の林孝宗氏は、「小さな一歩から始まった取り組みですが、社員の働き方や意識が大きく変わった。今後も地域に根ざした企業としてデジタル活用を進めていきたい」と話しています。
その他の受賞企業
優秀賞にはさくらホームグループ株式会社が選ばれ、Uretailとkintoneを活用し、顧客との関係を深めつつ、週休3日の実現を果たしました。また、株式会社北陸人材ネットと株式会社江守情報も奨励賞を受賞し、それぞれ革新的なワークスタイルの実践と地域デジタル人材の育成に貢献しました。
審査員の評価と今後の展望
審査員たちは、今回の受賞企業それぞれがいかにデジタルツールを効果的に使用し、業務効率化や新たな価値を生み出しているかを評価しました。介護分野や製造業におけるデジタル活用の取り組みが特に高く評価され、今後、全国へと波及することが期待されています。
審査員の石川浩司氏は、「今、日本が直面する人手不足問題に対して、これらの取り組みが日本の進むべき道を示している」と述べています。また、地方創生の観点からも非常に意義のある事例として注目されています。
イベント概要
今回の大会は、越乃バレー by BBRで開催され、地域の企業や団体の優れた取り組みが発表されました。福井県知事賞を受賞した有限会社あんしん村グループおよび最優秀賞を受賞した株式会社昇竜は、12月19日の全国大会に北陸・東海大会の代表として出場予定です。全国ワークスタイル変革大賞は、各地での開催を通じて地域に即した働き方改革を推進し、個人と組織の幸福感向上に寄与すること目的としています。
今後も、地域に根ざした実践的な取り組みに注目し、ワークスタイルの変革を促進していく企業の様子を見守りたいものです。