リュウグウの磁気データ
2026-03-03 10:48:44

小惑星リュウグウの磁気データが語る太陽系形成の謎

小惑星リュウグウの磁気データが語る太陽系形成の謎



近年、小惑星探査機「はやぶさ2」によって持ち帰られた小惑星リュウグウの微小試料に対して、高感度SQUID磁力計を使った磁気測定が実施され、その結果が太陽系の形成過程について新たな知見をもたらしました。特に、この研究によりリュウグウ母天体の磁場環境が太陽系形成初期にどのように影響を与えたのかが見えてきました。

研究の背景と目的



太陽系の形成と進化を理解するためには、原始太陽系円盤における物質の物理化学的環境を詳細に探ることが不可欠です。原始太陽系円盤の磁場は、電離された星雲ガスの運動によって生成され、この磁場と物質は相互作用しながら成長していきました。コンドライト隕石などに見られる始原的物質の記録は、太陽系の進化史を理解する上で極めて重要です。その中でも、小惑星リュウグウは太陽系形成初期の情報を良好に保存していると考えられています。

「はやぶさ2」によるサンプルリターンは、この貴重な情報を直接調べるための絶好の機会を与えてくれました。しかし、試料のサイズは極めて微小であるため、磁気測定が技術的に大きな課題となっていました。

研究内容と成果



東京理科大学の佐藤准教授を中心とする研究グループは、リュウグウから回収されたサブミリメートルサイズの試料約30個に対し、高感度SQUID磁力計を用いて系統的に磁気測定を行いました。これまでの研究では10個以下の試料に対しての分析が行われており、その結果は研究グループごとに異なっていましたが、本研究により統合的に理解できる大量の磁気データが得られました。

その結果、リュウグウ試料が記録している磁場情報が、太陽系形成後約300万から700万年の間における水質変成時の外部磁場環境を示している可能性が高いことが明らかになりました。これは、太陽系形成期における磁場環境の理解を一層深化させる重要な発見です。

今後の展望



今後は、リュウグウ試料が記録する磁場情報についてさらに詳細な探索を行い、太陽系の形成期における磁場環境の変化についての理解を深めていく予定です。また、確立した高感度磁気測定手法を他のリターンサンプルや隕石試料へと展開することで、より詳細なタイムラインを構築できることが期待されています。この研究成果は、宇宙探査の最前線に立つ科学者たちにとって新たな道標となるでしょう。

本研究は、日本学術振興会の科研費によって支援されており、その成果は2026年2月10日に国際学術誌「Journal of Geophysical Research: Planets」にオンライン掲載されました。リュウグウの試料が明らかにした太陽系の歴史そのものに迫る先駆的な研究です。


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