岡山大学が提案するゼロカーボン社会に向けた海洋環境保全の重要性とは
2024年11月7日、岡山大学学術研究院教育学域の佐野亘助教が、岡山市中区役所で開催された「令和6年度第3回ゼロカーボン研究会」に出席し、海洋環境保全とブルーカーボンに関する事例研究を発表しました。この会議は、2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにするためのステップであり、地域のさまざまな関係者が連携し、多角的なアプローチで取り組んでいます。
佐野助教は、特に「ブルーカーボン」と呼ばれる炭素貯蔵の重要性に焦点を当てました。ブルーカーボンとは、海草やマングローブなどの沿岸生態系が二酸化炭素を吸収し固定する能力のことです。地球温暖化対策としての重要な手段とされ、海洋生態系の保全がその効果をさらに高めることを示しました。
持続可能な社会の実現に向けた提言
佐野助教は、持続可能な社会の実現には、海洋資源の適切な管理が不可欠であると訴えました。そのためには、地域社会と協力して具体的な取り組みを進める必要があります。岡山地域の事例では、日生漁港での海底へのカキ殻の投入が挙げられ、地元の漁師たちとの協力が新たな取り組みを生み出していることを紹介しました。このような活動は、環境に配慮した地域経済の発展にも寄与するとされ、今後の双方向の連携が期待されています。
ゼロカーボン研究会では、他にも中国電力株式会社岡山支社の山本公介副支社長が「大崎クールジェンプロジェクト」とCCS(二酸化炭素の回収・貯留)に関する講演を行い、地域資源を活用した脱炭素化の取り組みについても実践的な紹介がなされました。参加者同士での質疑応答や意見交換が活発に行われ、ゼロカーボン社会の実現に向けた具体策が模索されました。
地域との連携を強化する岡山大学の未来
岡山大学は今後も地域と連携し、カーボンニュートラルを実現するための教育と研究に取り組む予定です。同大学が持つ知識とリソースを駆使し、地域社会の持続可能性を高めるための活動を強化します。国際的な視点からも取り組む姿勢を持ち、地域の中核となるべく、特色ある研究大学としての役割を果たすことを目指しています。
本件は2024年12月11日に岡山大学から公式に発表されました。今後ますます進化する岡山大学の取り組みに、ぜひ注目していただきたいです。