物流施設の未来を加速するバーチャル展示環境
野村不動産株式会社は、物流分野における企業間共創プログラム「Techrum」に、新たなツールとしてコンフィグラ社の「CET Material Handling」を導入しました。このソフトウェアプラットフォームを活用することで、パートナー企業の自動化機器等を仮想的に展示する環境を構築し、物流オペレーションの効率化を加速させます。
3D空間で実現する、スムーズな選定と検討
「Techrum」は、2021年4月に発足したプログラムで、物流関連技術を持つ90社以上の企業が参加しています。これまで、実証実験拠点「習志野 PoC Hub」で様々な企業の課題解決に取り組んできましたが、自動化機器等の選定と連携をさらに加速させる必要性が高まっていました。
そこで導入されたのが、「CET Material Handling」です。このソフトウェアは、3Dモデルを用いて倉庫空間を仮想的に再現することで、自動化機器の配置や動作をシミュレーションできます。これにより、パートナー企業は、実物導入前に機器の選定や連携の検証を効率的に行うことができ、最適なソリューションを見つけやすくなります。
さらに、「Landport」シリーズの物流施設においても、倉庫内環境を3Dで再現することで、入居検討企業が視覚的に施設を把握しやすくなります。これにより、検討段階での誤解を防ぎ、スムーズな入居促進につなげることが期待されます。
パートナー企業との協業を促進するバーチャル空間
「CET Material Handling」は、パートナー企業が提供するリアルな機器モデルを用いて倉庫空間を構築できるため、それぞれの企業が持つ技術を、より効果的に組み合わせることが可能になります。また、ビジュアライズ機能により、倉庫空間を視覚的に再現することで、荷主企業とのコミュニケーションを円滑にし、誤解のない情報伝達を実現します。
野村不動産は、このバーチャル環境を活用することで、パートナー企業間の相互提案を活性化させ、倉庫提案活動におけるデジタルトランスフォーメーションを促進することを目指しています。
労働力不足解消と効率化への貢献
野村不動産は、株式会社IHIと共同で推進する大規模物流施設「Landport 横浜杉田」において、立体自動倉庫の「シェアリングサービス」や自動化機器の「レンタルサービス」を導入しています。この施設では、「CET Material Handling」を活用し、竣工前の倉庫内レイアウトを3Dで可視化することで、荷主企業に対して具体的な作業スペースのイメージを説明しています。
これらの取り組みを通じて、野村不動産は、物流業界の労働力不足解消とさらなる効率化に貢献していきます。
今後の展望
野村不動産は、「Techrum」と「CET Material Handling」を活用することで、物流業界の革新を加速させていくことを目指しています。今後も、パートナー企業との連携を強化し、新たな技術やサービスを導入することで、より高度な物流ソリューションを提供していく予定です。