古民家を海外へ、一歩を踏み出す「古民家Bank」
日本の美しさとその技術を象徴すると言える古民家。しかし、山間部を中心に多くの古民家は放置され、解体される運命にあります。この現状に対処するため、株式会社中川住研はCtoCマッチングサイト「古民家Bank」を立ち上げ、古民家の海外移築を進めています。
これまで、日本の古民家はその価値を知られずに廃棄されることが多く、特に長年放置された物件は、売却が難しい状況にありました。しかし「古民家Bank」は、売り手と買い手が直接やり取りできるプラットフォームを提供し、その一環として古民家を海外に移築し再生するプログラムをスタートします。
なぜ古民家を海外に?
古民家には、特徴的な欄間や建具、品質の高い古材が使用されていることが多く、従来の建築技術が確認できます。しかし、国内での市場の縮小や、文化的な魅力を知らない人々の視点からは、その価値が見過ごされてきました。海外市場、特に富裕層の方々に日本の伝統的な住宅文化を届けることは、新しい価値を生み出す可能性を秘めています。実際、2018年に行ったサンフランシスコの調査では、日本の古民家への需要を確認しましたが、流通しているのは模倣品が多いという現実も浮かび上がりました。本物の日本文化が、世界に不足しているのです。
直面する課題とその解決策
古民家を海外に移築し再生する際には、数多くの課題が伴います。輸出の専門知識、言語の壁、国家間の法的な問題、現地の建築環境の理解、そして必要な人材の確保など、多岐にわたる障害があります。しかし、「古民家Bank」はこれらの課題に対処するために、各分野の専門家との協力関係を築いており、スムーズな取引の実現を目指しています。
古民家再生が進むことで、伝統的な建築技術を持った職人の育成も重要なテーマです。最近、こうした伝統技術を持つ職人が減少しており、後継者の不足が課題となっています。古民家の海外移築を拡大することで、米国での人件費を活用し、古民家を再生しながら、職人技の継承にもつなげていくことが期待されます。
未来への使命
「古民家Bank」は、単に古民家の売買を行うプラットフォーム以上の存在です。このサービスでは、古民家の再生から活用方法まで、多様な選択肢を提供します。これにより、ただの取引が完結するのではなく、文化の継承が行われ、地域の空き家問題の解決に寄与します。今の活動がさらに発展し、100年後の未来に従来の美しい古民家が残ることを目指しています。
古民家の持つ価値を再認識し、次の世代に引き継ぐための新たな取り組み、「古民家Bank」。今後の展開に注目です!
会社情報
- - 会社名: 株式会社中川住研
- - 所在地: 京都府亀岡市千代川町千原二丁目8番24号
- - 設立: 平成2年5月
- - 代表取締役: 中川克之
- - 事業内容: 不動産仲介、古民家再生事業など
- - URL: 中川住研ウェブサイト