次世代のEVバッテリー診断技術が始動
環境への配慮を重視した企業、MIRAI-LABO株式会社は、株式会社オークネットと共に、新たな「自動劣化診断ライン」を開発・構築しました。このラインは、電動自動車(EV)のリチウムイオンバッテリーの性能や劣化状態を迅速に診断できるもので、7月30日から本格運用が開始されました。
短時間で精度の高い診断が実現
これまで、EVバッテリーの劣化診断は手動で行われ、その処理時間は1モジュールあたり24時間以上かかることもありました。新たに導入された自動劣化診断ラインでは、これがわずか5分以内で完了します。
この自動診断装置は、2019年からのオークネットとの業務提携を経て開発されたもので、ミライラボが確立した新しいインピーダンス測定法を基にしています。これにより、多くのEVバッテリーを効率よく、高精度で診断することが可能となりました。
診断が終わると、次のバッテリーモジュールが自動的にセットされるため、作業効率は格段に向上します。これにより、リパーパス製品の生産リードタイムが短縮され、中古EVバッテリーの劣化状態を可視化するニーズにも迅速に対応できるようになります。
環境と自治体への貢献
ミライラボが提供するEVバッテリーのリパーパス製品、自律型ソーラー街路灯『THE REBORN LIGHT smart』は、その環境性能から評価され、ジャパンレジリエンスアワード2025で最優秀賞を受賞しました。
急激に増加する全国の自治体や企業からの需要に対しても、自動劣化診断ラインを利用することで、安定した供給が実現される見込みです。これにより、持続可能な環境作りに貢献することが期待されています。
自動劣化診断ラインの詳細
- - 測定対象: EV(電気自動車)のリチウムイオンバッテリー
- - 診断形態: モジュール単位(車両から取り外した状態)
- - 対応メーカー/車種: 日産リーフ
- - 診断機能: インピーダンスを用いたSOH(State of Health)診断
- - 診断キャパシティ: 年間10,000モジュール
この新技術は、バッテリーの劣化状況を明確にし、中古EVバッテリーの利用促進や環境負荷の軽減に大きく寄与します。ミライラボとオークネットは、今後もこの分野において革新的な取り組みを進めていくことでしょう。
会社情報
MIRAI-LABO株式会社
所在地: 東京都八王子市滝山町一丁目886番地1
設立: 2006年4月
資本金: 98百万円
事業内容: 環境プラットフォーマーとして、太陽光発電技術や中古EVバッテリーの劣化診断技術に関する研究開発を行っています。
公式サイト
株式会社オークネット
所在地: 東京都港区北青山二丁目5番8号
創業: 1985年
資本金: 1,807百万円
事業内容: 中古品のオンラインオークションおよび関連サービスを提供。
公式サイト
本技術は、今後のEV市場においてさらに注目されることでしょう。