オンライン面接の普及と新たな採用手法の実態について
はじめに
新型コロナウイルスの影響で急速に普及したオンライン面接ですが、現在では多くの企業でこの手法が常態化しています。特に、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の選考フローが主流となっており、企業はそのメリットを実感しているようです。今回は、株式会社プロフェッショナルバンクによる調査結果をもとに、オンライン面接の実態とその背景を探っていきます。
調査概要
プロフェッショナルバンクは、オンライン面接を実施している企業の人事担当者を対象に605名からの有効回答を取得し、最新の採用活動に関する実情を把握しました。この調査は2024年の10月28日から29日まで行われました。
ハイブリッド型が主流に
調査結果によると、オンラインと対面の両方を取り入れたハイブリッド型の選考プロセスが全体の約90%を占めており、その中でもオンライン面接が主流であることが明らかになりました。具体的には、面接方法については『オンラインと対面の両方があり、オンラインの方が多い』との回答が最も多く、窓口が広がったことで多くの候補者と接する機会が増えたことが伺えます。
オンライン導入の理由
オンライン面接を導入する理由として最も多かったのは「面接プロセスの効率化・迅速化」で、次いで「コスト削減」、「デジタルツールの活用」が挙げられました。特に、面接が迅速に行える理由として『移動時間が不要』や『スケジュール調整が容易』という点が強調されています。これにより採用活動のスピードが格段に向上することとなります。
コストのメリット
コスト面においても、オンライン面接は非常に有利に働いています。特に、面接官や候補者の移動にかかる費用や、印刷物の準備費用の削減が目立ちます。また、余剰となった時間を別の業務に充てることができるため、生産性向上にも寄与しています。
デジタルツールの活用
さらに、オンライン面接ではデジタルツールを駆使することも一因です。面接後のフィードバックやスケジュール調整の自動化、過去の面接内容の録画と再生の機能など、これまでの対面面接では得られなかった新たな利便性が評価されています。
心理的安全性の向上
興味深いことに、オンライン面接は候補者に対する心理的影響にもポジティブな変化をもたらしています。物理的な距離があることから緊張が和らぎ、自宅のリラックスできる環境で面接を行えるという点が評価されています。また、多くの企業が「面接数が増えた」と実感していることから、地理的な制約が少なくなったことが大きなメリットとなっています。
オンライン面接の必要性
調査結果では、約7割の人事担当者が「オンライン面接」を持続的に実施したいと考えており、対面面接のみの選考フローには戻れないと回答しています。これは、特に候補者の第一印象や適合性を評価する際には対面が有利であることも示していますが、オンラインを活用することで得られる柔軟性と効率性が、その重要性を上回った結果といえるでしょう。
まとめ
オンライン面接の導入が企業の採用活動において大きな影響をもたらしていることは明らかです。コロナ禍で強制された変化が、その後も継続的に求められる手法として定着しています。今後も、オンラインと対面選考のハイブリッド型運用が主流となることで、より多様な人材の採用が進むことを期待したいと思います。