叡啓大学の特別なプロジェクト
広島市に位置する叡啓大学では、リベラルアーツ科目「Public Art(公共芸術論)」の一環として、学生たちが広島県立美術館で計画されている特別展《木村伊兵衛 写真に生きる》の翻訳制作に協力しました。本プロジェクトは、2025年度秋クオーターの授業で実施され、約35名の学生が集まり、日英翻訳を行いました。
展覧会の概要
《木村伊兵衛 写真に生きる》は、2025年12月13日から2026年2月8日まで開催される特別展です。木村伊兵衛(1901-1974)は、日本の写真界に新たな風を吹き込み、スナップショットや肖像写真でその名を轟かせました。この展覧会では、約165点の選りすぐりの作品を通じて、木村の写真芸術の軌跡を振り返ります。
芸術作品の翻訳は、ただの言語的な変換を超え、作品の意図や背景を伝える重要な役割を果たします。本プロジェクトの目的は、来館者がさまざまな言語背景を踏まえた上で、木村伊兵衛の作品を理解し、楽しむことを可能にすることでした。完成した翻訳文は、美術館で配布され、訪問者の鑑賞体験をサポートします。
学生たちの学びと成長
参加した学生たちは、授業を通じて木村伊兵衛の作品とその背景について深くリサーチし、公共空間としての美術館における芸術の意義や多様な鑑賞のあり方について議論しました。彼らは、実際の翻訳を通じて、異なる文化的背景を持つ人々に向けて情報を効果的に伝える重要性を学びました。
多様な価値観を持つ訪問者に対して、共通の視点で鑑賞を楽しんでもらうための手助けをすることが、このプロジェクトの核となる理念です。本学は、すべての授業を日本語と英語で提供しており、英語を単なる学習対象としてではなく、社会とのつながりを深めるためのツールとして活用しています。
教員のコメント
プロジェクト担当の香村ひとみ非常勤講師は、「公共芸術論」を通じて学生たちがどのように芸術を社会に届けるかを学んだと語ります。「翻訳は、生活や表現を他者と共有する行為であり、多様な文化を持つ人々に向けて伝えることに意義がある」と強調しました。彼女は、今回の学びが多様な文化を搭載した鑑賞体験へつながることを願っています。
未来へ向けて
叡啓大学によるこのプロジェクトは、学生たちの学びを実社会に生かす素晴らしい機会となり、文化的背景を越えた芸術の楽しみを広げることに貢献しています。展覧会に訪れる訪問者にとって、これまで以上に理解しやすい体験が提供されることでしょう。私は、来場者が木村伊兵衛の作品を通じて深い感動を得られることを期待しています。最後に、校内で育まれたこのような取り組みが、学生たちの未来にどのような影響を与えるのか、非常に楽しみです。
詳細については、叡啓大学の公式ウェブサイトをご覧ください。
叡啓大学公式サイト