宇宙と防災を結ぶ新たな挑戦「BOSAI SPACE FOOD PROJECT」の始まり

新たな食の革新を目指す「BOSAI SPACE FOOD PROJECT」

8月30日、多賀城市でワンテーブルとJAXAが共同で始動した新しいプロジェクト「BOSAI SPACE FOOD PROJECT」が注目を浴びています。このプロジェクトは、宇宙と災害時に共通する食の課題に焦点を当て、両者の知見を活かした新しい食のカテゴリーを開発することを目的としています。

JAXAは、従来から宇宙における防災活動に取り組んできました。特に、人工衛星を用いた災害監視や、宇宙で使用する冷却下着によって災害時の作業環境を改善する活動は多くの成果を上げています。今回のプロジェクトでは、閉鎖的な環境での限られた水と食料が被災地の食環境と類似している点に着目し、それを新たな防災への挑戦として位置づけます。

プロジェクトの概要

「BOSAI SPACE FOOD」は、被災地と宇宙が直面する食のニーズや課題を分析し、それに基づいて新たな食品を開発することを目指します。これにより、宇宙での食事が限られた環境でも楽しめるようにし、同時に防災時の食事選択肢の一つとしても機能することが期待されています。

このプロジェクトでは、今後、ワンテーブルが宮城県多賀城市にて新たに設立する製造工場で、技術的な実現性をさらに検討していく予定です。また、様々な自治体や企業と連携し、新規事業や公共領域における取り組みについてのフィジビリティ検討も行う計画です。

参加者募集中

「BOSAI SPACE FOOD PROJECT」では、事業開発や技術開発に関心のある団体を「イノベーションパートナー」として、また公共領域の課題解決に取り組む団体を「ソーシャルパートナー」として広く募っています。自治体、企業、大学、研究機関など、様々な分野からの積極的な参加が期待されています。

特に、8月30日から始まる防災週間に合わせて、このプロジェクトの発表内容を広く伝え、防災意識の高揚や教育活動の充実を図ることも考えられています。今後、このプロジェクトを通じて地球規模の課題解決にも寄与することを意識しながら、持続可能な開発目標（SDGs）への取り組みを進めていくことが重要です。