ロボットフレンドリーな小売環境の実現へ
アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社やソフトバンク株式会社、さらにはパナソニック コネクト株式会社と株式会社ロボット小売社会実装研究機構は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携し、次世代人工知能技術を活用した「商品情報データベース」の研究開発に取り組んでいます。このプロジェクトは、小売業界におけるロボットの導入を容易にすることを目指しており、特に入荷検品や棚卸し、商品陳列、決済といった業務の自動化を進めています。
研究開発の目標
本研究開発の主な目標は、効率的な商品画像認識を実現するためのデータベースを構築し、ロボットが迅速かつ正確に業務を行える環境を整備することです。この新しいデータベースには、商品の形状や特性に基づいた動作支援用の画像データや、商品の基本情報がひもづけられ、多様な業者がデータを容易に共有できる仕組みを作ります。
実施内容とスケジュール
研究開発は2022年から2024年度までの3年間にわたり行われ、予算は3.1億円に設定されています。このプロジェクトでは、以下の研究開発項目が計画されています。
- - 商品画像データなどの仕様の明確化
- - 撮像・計測装置の開発
- - 対象物を認識するソフトウェアの開発
- - 商品情報データベースの構築
- - データベースの有効性の検証
- - 国内外の動向調査および運用の検討
参加企業の役割
アーサー・ディ・リトル・ジャパンは、データ提供と利用者からの要求整理を担当し、ソフトバンクはデータの共同利用技術の開発を担当しています。パナソニック コネクトは撮像装置の開発とデータベース構築を行い、ロボット小売社会実装研究機構はロボットの動作に必要なデータベースの確立を目指します。
商品情報共有化有識者会議の設立
2022年7月には「商品情報共有化有識者会議」が設立され、多様な事業者からの意見を集約し、実用的な技術開発とサービスモデルの構築を目的としています。この会議には、流通業界の各社が参加し、具体的なデータベースの仕様の策定やビジネスエコシステムの構築に向けた協議を行っています。
未来に向けたビジョン
今回の研究開発により、ロボットが導入しやすい「ロボットフレンドリーな環境」の構築が期待されています。小売業界におけるデジタル化が進む中、効率的な業務運営が実現すれば、顧客サービスの向上や業務の効率化につながるでしょう。今後、企業はロボットとAIの活用を一層進めていくことで、持続可能な成長を目指すことが求められています。