首都圏マンション市場の実態
近年、東京都を中心に首都圏でのマンション価格の高騰が続いています。その中で、特に「坪単価」という指標に注目が集まっています。坪単価とは、1坪あたりの価格を示し、異なる物件の価格を相対的に評価するのに非常に便利な指標です。実際、同じエリア内のマンションの価格を比較する際、坪単価を使うことで市場全体のトレンドを把握しやすくなります。
一都三県の価格推移
一都三県、すなわち東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の中古マンション市場では、東京都だけが高騰傾向を保っています。2012年以降は、神奈川県、千葉県、埼玉県も追随してきましたが、2024年前半には価格停滞または若干の下落の兆しが見え始めています。このデータが示す通り、首都圏のマンション価格は天井に達しつつあるのかもしれません。ただ、実際には複雑な要因が絡んでいるため、一概に「下落局面」とは言い切れません。
築年帯別の分析
さらに詳細な分析のために、築年数によってマンションを以下の3つに分類しました。
1. 2006年以降築
2. 1983年~2005年築
3. 1982年以前築
この分類によると、「2006年以降築」のマンションは依然として需要が高く、多くの買主から支持されています。その理由は、耐震性能や最新の設備、資産価値維持への期待から来ていると言えます。一方で、1983年~2005年築や1982年以前築の物件は横ばいの価格維持が見られ、大幅な下落は見当たらないのが現状です。
成約件数の変化
注目すべきは、成約件数の割合の変化です。坪単価が高騰している「2006年以降築」の成約割合は減少している一方で、比較的低価格な「1983年~2005年築」や「1982年以前築」の成約割合が増加しています。これは、新しい物件を希望する買主が高価格に直面し、結果的に築年数の古い物件にシフトしていることを示しています。
坪単価の横ばいと需要シフト
坪単価が横ばいに見える理由は、成約件数のシェア変化にあります。高価格な築浅物件の成約が減り、相対的に安価な築古物件の比率が増加したためです。そのため、全体の坪単価は横ばいに見えるものの、実際は築古物件への需要が増加している可能性があります。
購入者の心理と市場環境
現在、購入者が築古物件にシフトしている背景には、金利が上昇していることや、住宅購入に対する購買力の限界があると考えられます。2020年代に入り、住宅ローン金利が意識され始め、多くの人が駆け込みで購入を決断していますが、価格が急激に上昇した新築マンションに手が届かないという現実も影を落としています。このため、現実的な選択肢として築古物件への需要が高まっています。
今後の市場展望
今後、金利がさらに上昇する状況が続けば、高額な築浅マンションの需要はより限定的になり、築古物件や郊外の物件に需要が集中するかもしれません。一方、駅近や再開発エリアに位置する物件は、特に需要が堅調であり、大幅な価格下落は見込まれません。
まとめ
東京都を除く首都圏のマンション市場は、一見「下落局面」に見えるかもしれませんが、実際は築古物件の需要が拡大し、平均坪単価が安定しているのが実態です。金利上昇に伴い、消費者の選択行動が新たな価格高騰の最終局面に示唆を与えていると言えるでしょう。