三谷産業が導入する最先端技術
三谷産業株式会社が、AIを駆使した自動外観検査機を開発したとのニュースが注目を集めています。これは、樹脂とエレクトロニクス事業の一環として、自動車に搭載される樹脂成形品の生産の効率化と品質管理の向上を目指したものです。今回の検査機は、ベトナムにある製造拠点での導入を予定しており、従来の目視検査と比べて大きなコスト削減が見込まれています。
開発の背景
自動車産業は、電気自動車や自動運転技術の進展など、急速に変化しています。そのため、安全性と品質に対する期待も高まっています。三谷産業では、高い品質保証を徹底しており、広島の技術部門とベトナムの製造拠点が密接に連携した生産体制を確立しています。
最近では、ベトナムでの人件費の上昇が製造企業にとっての大きな課題となっており、AIや自動化による効率化が今まで以上に求められています。特に、目視検査は手間がかかりコストも高いため、その改善が急務となっていました。
自動外観検査機の特徴
新たに開発された自動外観検査機は、製品の欠陥を高精度で検知するためのAIを搭載しています。具体的には、良品データを学習させ、不良品を自動で識別できる機能が実装されています。使用者は製品を検査機にセットし、ボタンを押すだけで検査がスタートし、AIは様々な角度からの画像を分析します。これにより、汚れや傷、欠けなどの欠陥を迅速かつ正確に検出し、監視結果はタッチパネルに表示されます。
この検査機は、便利なキャスター付きで移動が簡単で、現場のニーズに合わせた設置ができる独自設計が特徴です。サイズは約3mの高さで、操作性も考慮されているため、多様な製造環境で使用可能です。
効率化の期待
この自動外観検査機が導入されれば、現行の目視検査にかかる時間を大幅に短縮できる見込みです。現状では、熟練の検査員が1部品あたり110秒をかけているのに対し、自動外観検査機では約37秒に短縮され、66%もの工数削減効果が期待されています。この大幅な削減は、全体の生産性を向上させ、結果としてコスト削減にもつながります。
今後の展開
現在、三谷産業はお取引先の自動車部品メーカーと共同で量産適用の評価を進めており、稼働の準備を進めています。2026年までにベトナムの全製造工場において自動外観検査機の導入を完了する計画です。また、将来的には、検査結果を用いて製造データと組み合わせることで、欠陥の原因を特定し、製造プロセスのさらなる改善を目指す活動も行っていく予定です。
三谷産業について
三谷産業は、石川県金沢市に本社を置き、96年の歴史を持つ複合商社です。ベトナムでの事業も30年にわたり展開し、化学品から情報システム、樹脂・エレクトロニクスまで多岐にわたる事業を行っています。商社としての役割に加え、メーカーやコンサルタントとしてもお客様に対し最適なソリューションを提案し続けています。現在、連結売上高は95,857百万円に達するなど、着実に成長をしています。
三谷産業の挑戦はこれからも続きます。持続可能で効率的な製造プロセスの確立に向けて、引き続き最先端の技術開発を進めていく姿勢を示しています。