ウィルオブ・ワーク社は、1997年の設立以来、日本全国で人材サービスを手掛けてきた企業です。最近、同社の特化型転職支援サービス「ウィルオブテック」が、高度なAIマッチングシステム「a-assi(エーアシ)」を導入し、業務の効率化とマッチング精度の向上を目指す取り組みを進めています。
このプロジェクトの背景には、急速に組織を拡大する中での課題がありました。具体的には、1万件を超える求人情報を各キャリアドバイザーが把握することが困難になってきたことや、メンバー数の急増に伴うノウハウの共有不足、さらには分業体制によるマッチングの質の低下が挙げられます。
特に、月に200〜250名の面談を行っている中で、法人営業がマッチング作業に多くの時間を費やす必要性が生じ、結果として機会損失を招くことが多かったのです。また、従来の「職人技」に依存していた状況では、組織の成長とともにマッチングの精度やサービス品質が維持できない懸念も生じていました。
このような課題を解決するために、ウィルオブ・ワークは「a-assi(エーアシ)」AIマッチングを導入しました。このAIシステムは、高い精度と低コストで迅速に導入できるのが特徴で、他社のツールと比較してもその効果は明らかでした。特に、社内の利用者アンケートではほぼ全社員から精度が高く評価され、その信頼性が導入の決定要因となったと言います。
導入プロセスはスムーズで、まずは他社事例の確認やデモを行った後、実際のデータを用いてマッチング精度の検証を行いました。契約後は既存データベースとの連携設定やユーザー権限の設計を行い、その後、利用者向けのトレーニングを行うことで、早期の稼働が実現したのです。
このAIマッチング導入によって、ウィルオブテック社では次のような成果が期待されています。まず、業務効率が向上し、1名あたりのマッチング工数が約60分削減される見込みです。さらに、マッチング精度も向上し、提案する求人数が120%増加することを目指しています。また、求人データの整備度をAI最適化の前提に設計し、集客戦略や求人票改善にもつながる情報の可視化が進むことも期待されています。
松浦部長は、自社の人材紹介業界におけるAI導入の必要性を強調し、「経験や勘に頼るだけではなく、真剣にAIと向き合う時代に移っている」と述べました。AI技術は急速に進化しており、これを活用することで得られる時間や資源を、人にしかできない仕事に振り分けることが重要だと考えています。これにより、エージェントとしての価値が高まり、業界全体の進化が促進されるという展望を示しています。
このように、ウィルオブ・ワーク社の取り組みは、単に業務効率を改善するだけでなく、人材紹介業界の本質的な進化を目指すものであり、多くの企業が直面する課題解決の糸口となるかもしれません。AIマッチングによって、新たな未来の扉が開かれることが期待されます。