NOT A HOTELが新ブランド「HERITAGE」「vertex」を発表、忽然と消える歴史的建物を守る新しい試み

新たなホテルブランド、旅の形を変える

NOT A HOTEL株式会社は、近年の旅行トレンドに応じた新しいホテルブランド「HERITAGE」と「vertex」を発表し、注目を集めています。これまで主にオーナー向けのシェア型別荘の展開に注力してきましたが、今度は一般の方にも開かれた宿泊施設を提供します。

「HERITAGE by NOT A HOTEL」は、歴史的な建物を現代的な視点で再解釈した宿泊体験を提供するシリーズです。このブランドの第一弾は、世界遺産の京都・東寺にて、かつての宿坊をリノベーションした宿泊施設を開業予定です。このプロジェクトは、寺院や美術館などの歴史的な建築物の維持を目的としており、再生された建物から得られる収益は、地域文化と建物の持続的な未来を支えるために循環される仕組みです。

一方で、「vertex by NOT A HOTEL」は沖縄を舞台に、故ザハ・ハディッド氏が設立した建築事務所Zaha Hadid Architectsによるプロジェクトで、まだ誰も体験したことのない未来のライフスタイルを実現します。このホテルは、オーシャンビューとプライバシーを重視しながら、沖縄の自然環境に配慮したデザインが特徴です。

文化財の持続可能な未来を目指す

「HERITAGE by NOT A HOTEL」は、現代人が宿泊し、集い、体験する空間へと刷新し、地域文化の継承を目指しています。日本各地には文化的に価値のある建物が多く存在していますが、老朽化や維持管理の難しさから、次第にその数が減少しています。京都市の調査結果では、京町家の約11.7％が7年で消失したとの報告もあり、その深刻な課題を解決するための取り組みが求められています。

NOT A HOTELでは、地域の魅力を最大化するべく、世界中で活躍する建築家たちと共に、歴史的建物を新たな形で生かす挑戦を行っています。この取り組みは、単なる保存にとどまらず、次世代へとつながる文化的な資源としての価値を持つもので、より多くの人々にその魅力を届けることに努めています。

環境への配慮が息づく新ホテル

沖縄で展開される「vertex by NOT A HOTEL」は、Zaha Hadid Architectsによる革新的なデザインが魅力です。建物は自然の地形や環境への影響を最小限に抑えるよう計画されており、宿泊者に最高の滞在体験を提供します。

また、建築デザインには沖縄の伝統的な素材や技術が取り入れられており、地域の文化を尊重した設計がなされています。台風や地震にも耐えうる構造で、持続可能な建設の観点からも徹底した環境配慮がなされています。未来のライフスタイルを追求するこの新しい試みは、沖縄の自然と調和しながら新たな宿泊体験を提供するでしょう。

結論

「HERITAGE」と「vertex」は、過去の文化を尊重しつつ、現代の感性で再構築する新しいホテル文化の誕生を示しています。今後もNOT A HOTELはこのような取り組みを通じて、日本の歴史的資産を守りながら、未来への橋渡しを行っていくことでしょう。「HERITAGE by NOT A HOTEL」は、開業が待たれるプロジェクトであり、「vertex」もまた、今後の発表に注目です。私たちの次なる旅は、この二つの新しいブランドが生み出す体験から始まるかもしれません。